実在した殺人鬼を描く映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」
異常な殺人鬼を描いたサイコホラー、サイコサスペンス映画としては「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」といった作品が思い浮かびます
こうした映画に名作という表現が妥当なのかどうかは迷いますが、衝撃を与えた問題作であるのは確かでしょう
さて、こうしたサイコサスペンスの系列に属する映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」が公開中です
シネマトゥデイの記事から一部を引用します
描いたのは国家と人間、二種類の連続殺人犯…原作者が語る『チャイルド44』
1950年代、スターリン政権下のソビエト連邦において、子供を狙った連続殺人事件を追う男の苦悩を描いた映画『チャイルド44 森に消えた子供たち』。2008年に発表した原作小説でデビューを果たし、現在もベストセラー小説家として活躍する英国人作家トム・ロブ・スミスが、本作について語った。
実在した連続猟奇殺人犯アンドレイ・チカチーロの犯行をモデルに、死体に共通のしるしが残された44人の子供たちの殺人事件を捜査する国家保安局員・レオの姿を描く本作。犯人を追うミステリー要素以上に、スターリン支配下の共産党が掲げた「殺人は資本主義の病」という虚構に阻まれ、葛藤する登場人物たちの姿が強烈な印象を残す。
(以下、略)
決して一般向けとは言い難い内容の映画です。原作は2009年に「このミステリーがすごい!」海外編で第1位となったトム・ロブ・スミスの小説「チャイルド44」であり、監督はリドリー・スコットです
上記の記事にもあるように、アンドレイ・チカチーロという実在した連続殺人鬼(実際には52人ものこどもや女性を殺害した容疑で銃殺刑になっている)をモデルにしています
アンドレイ・チカチーロは性的不能者(インポテンツ)で、周囲からバカにされたりいじめを受けて育ち、性に対する歪んだ欲情と暴力性を内包した殺人者です
被害者であるこどもたちに拷問を加え、肉体を切り裂き、恐怖と苦痛を与えることで性的な興奮を得るアンドレイは、ソ連時代の警察の杜撰な捜査のため逮捕されないまま犯行を重ねていました。「理想的な社会主義を体現したソ連で、連続殺人などありえない」とする政府の姿勢が、事件の解明を妨げたのも事実でしょう
犯行の経緯など詳細については、インターネットでアンドレイ・チカチーロを検索して下さい
映画『チャイルド44 森に消えた子供たち』予告編
もちろん映画は脚色されたものであり、アンドレイ・チカチーロの犯行を再現する狙いがあってのものではないと、余計なお世話ながら付言しておきます
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