大阪心斎橋殺人を考える3 ようやく初公判
2012年6月、大阪の心斎橋で昼間に包丁を手にした男が次々と通行人に襲いかかり、2人を殺害する通り魔事件が発生しました。逮捕された礒飛京三容疑者は事件の2週間前に新潟刑務所を満期で出所したばかりであり、「誰でもいいから殺して死刑になりたかった」と供述し、世間を呆れさせました
しかし、その後事件に関する報道は途絶え、京礒飛三容疑者の裁判が始まったとのニュースを見ることもなく、事件から3年が経とうとしています
改めてこの事件の裁判がどうなっているのか、調べてみました
逮捕当時、覚せい剤使用歴のある京礒飛三容疑者が薬物の影響で事件を起こしたのではないか、との疑いが持たれました。大阪地方検察庁は起訴前に精神鑑定を実施した上で、刑事責任を問えると判断し2012年11月、殺人と銃刀法違反の罪で起訴しています
しかし、裁判前の争点を整理する手続きが難航し、公判開始の日程も決まらない状態が続きました。2013年12月になって、大阪地方裁判所は裁判官の決定により再度の精神鑑定を実施しています
弁護側が礒飛京三被告の責任能力について、裁判で争う姿勢を示したためだと推測されます
通常、精神鑑定のための鑑定留置は約3ヶ月です。しかし、その結果についても弁護側、検察側から異論が出たのか、2014年中は公判開始に至らず、ようやく2015年5月25日に初公判が開かれることになりました。判決言い渡しは6月26日の予定です
礒飛被告は新潟刑務所を出所後、栃木県内の薬物依存者の民間リハビリ施設に入って清掃のアルバイトをしていました。が、1週間ほどで施設を出てしまい、かつての刑務所仲間に仕事を紹介してもらうため大阪へ出向き、事件を起こしています
「更生の機会に恵まれなかった」などと論評した新聞もありましたが、大間違いでしょう。自らの勝手気ままな行動から、更生の機会を逸したと言うべきです
さて、初公判の場で罪状認否が行われるのですが、礒飛被告は何を語るのでしょうか?
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