和歌山小5刺殺事件を考える3 犯行を自供
和歌山県紀の川市で小学5年生の男児が殺害された事件について、3度めの言及になります。逮捕された中村桜洲容疑者(22)が殺害を認める供述をしている、との報道があります
当初は事件への関与を否認し、殺害された男児についても面識がないと言い張っていた中村容疑者ですが、何か心境の変化でもあったのでしょうか?
和歌山県紀の川市で小学5年生の男児(11)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された無職中村桜洲(おうしゅう)容疑者(22)が、殺害を認める趣旨の話を始めたことが関係者への取材でわかった。これまでは「私は男の子を殺していない」と容疑を否認していた。
県警によると、中村容疑者は今月5日、紀の川市後田(しれだ)の自宅近くの空き地で、近所の男児の胸などを刃物のような物で突き刺すなどして殺害した疑いがある。目撃証言などから7日に逮捕されたが、犯行時間帯は「自宅にいた」などと容疑を否認していた。
関係者によると、中村容疑者は「私がやりました」と述べているという。逮捕後は「男の子を見たこともない」と供述していたが、以前から男児を知っていた様子で、何らかの理由で煩わしい存在に思っていたことがうかがえるという。
ただ、話を理解できていないように見えることもあり、弁護側は今後、刑事責任能力を争う方針。捜査当局も精神鑑定のための鑑定留置を検討している。
県警によると、中村容疑者の自宅からは3本の大型刃物が見つかり、うち1本から男児のDNA型と一致する血液反応が出ている。
(朝日新聞の記事より引用)
別の報道によれば中村容疑者の父親は地域の区長を勤め、仏教学の大学教授なのだそうです。母親は華道の教室開いており、民生委員も務めていると
ならば木刀を振り回して奇声を発していた息子の所業を知らなかったわけもなく、なぜ今まで放置していたのか疑問が湧きます
もちろん両親を責めたところで何の解決にもならず、虚しいだけなのですが
中村容疑者と被害者である小学生の間に何があったのかはともかく、いずれは暴力沙汰に走る危険も十分予見できたはずなのに放置していたわけです(刃渡り40センチを超える刃物を3本も所持していたのを、親も知っていたはず)
「いずれ時間が解決する」とでも、親は思っていたのでしょうか?
時間が経過すれば高校中退の挫折も癒え、自立に向けて歩み始めるとでも?
この先精神鑑定が実施され、中村容疑者の責任能力が検討される見通しです
仮に責任能力がなかったと判断されたならば、起訴もされず裁判も行われず、中村容疑者は強制措置入院になります
これでは周囲の人たちも納得できませんし、わだかまりが残ったままでしょう
責任能力があったとして中村容疑者が起訴され、懲役20年の実験判決を受けたとしても、それで何かが決着するはずもなく、「やはり、何か手を打っていればこの事件は防げたのではないか」との思いだけが残るように想像されます
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