ギリシャがドイツに戦後賠償請求をふっかける
緊縮財政政策をEUから命じられて不満が高まっているギリシャでは、押し付けに反発するアレクシス・チプラス党首が率いる急進左派連合が総選挙で勝利し、政権の座につきました
そしてさっそくEUからの借金(約44兆円)を踏み倒すため、あの手この手で揺さぶりに出て物議をかもしています。中でも最大の支援国であるドイツに対し、「第二次世界大戦中の被害を賠償せよ」とふっかけ、真正面から喧嘩を売るという暴挙に出ました
ギリシャのチプラス新政権が10日、第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるギリシャ占領で被った損害の賠償を請求する方針をドイツに伝達し、内外に波紋を広げている。最大のギリシャ支援国であるドイツは「問題は解決済み」と拒否しており、ギリシャの財政緊縮策の是非を巡る両国の対立に歴史問題が加わった格好だ。
「欧州統合の精神に反する」とギリシャ新政権の対応を批判する声も出ている。
ナチスは第二次大戦中の1941~44年、ギリシャ本土を占領した。当時、ギリシャに強要されたナチス向け戦時融資の返済分や占領による損害の賠償を含め、チプラス政権はドイツに対して1620億ユーロ(約22兆円)を請求する権利があると主張している。コジアス外相が10日、ベルリンを訪れ、ドイツ政府に方針を伝えた。
チプラス首相は8日の議会演説で請求理由について「ギリシャ国民と歴史、そして、ナチズムと戦い、血を流した全欧州人への道義的な義務がある」と述べた。パラスケボプロス法相も9日、44年のナチス親衛隊によるギリシャ中部ディストモ村での虐殺の生き残りと遺族への補償金支払いをドイツに命じた判決を執行する書類に署名すると表明した。
一方、ドイツは旧西独時代の60年、ナチス時代の不法行為に対する補償としてギリシャに1億1500万マルク(当時のレートで約97億7500万円)を支払う協定を結んだ。また、90年のドイツ統一時に東西ドイツが旧連合国の米英仏ソと調印した条約で「請求権問題は解決済み」との立場を崩していない。
このため、ガブリエル独副首相は9日、ギリシャの要求を「根拠がない」と拒否。与党のキリスト教民主・社会同盟で予算政策を担当するバルトレ連邦議会議員も独紙で「外国からカネを出させるという(チプラス首相の)選挙公約自体がおかしい」と反論した。
(以下、略)
もちろんギリシャの狙いはドイツと紛争を引き起こそうというものではなく、22兆円の賠償請求をふっかけておいて、ドイツから新たな金融支援を引き出そうという駆け引きなのでしょう
しかしこのギリシャの要求にフランスなど他の国は呆れており、交渉の行方は見えません
そもそもギリシャの財政危機は歴代政権の責任であって、公務員をやたら増やして高給を与えるなど、放漫な行政を長年続けてきた結果であり、そのツケはギリシャ国民が負担してしかるべきです
ところがEUの支援に不満を表明し、44兆円もの借金を踏み倒しにかかるのですから、面の皮の厚さは相当なものと言えます
チプラス政権で財務大臣に就任したバルファキスは強気な発言と型破りなファッションで注目を集め、黒い革ジャンに開襟シャツでスキンヘッドという外見から「ナイトクラブの用心棒」と揶揄されていますが、実はケンブリッジ大学で教鞭をとった経済学者です
トレンチコートとボルサリーノ帽子で「マフィア」とあだ名された麻生財務大臣と並んだら、凄い絵になりそうです(苦笑)
このギリシャのチプラス首相について、ロシアと中国が自国への訪問を打診しているとの報道があります。EUから債務免除を受けられなかった場合、ギリシャはロシアや中国からの支援を受ける方針なのだとか
とは言え、ルーブル安と原油価格下落で苦境に立つロシアに数兆円も支払ってギリシャを支援する余裕があるとは思えません。中国も借金を踏み倒す気満々ギリシャに気前よく金を貸すとは考えにくいわけで、ギリシャの先行きはますます暗いように映ります
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