内田樹の「戦争論」はありふれた「日本人論」

新年を迎え、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
旧年中は拙い当ブログを閲覧いただきありがとうございました。今年もできる限
り更新してゆく所存ですので、気が向いたときにお立ち寄りください
さて、若者向け雑誌という存在はもはや絶滅危惧種と呼べるほど希少な存在です。孤軍奮闘を続ける「週刊プレイボーイ」は本来グラビアが売りなのでしょうが、中には誰に読ませるつもりなのかと首をひねりたくなる記事も散見されます
中国で一番有名な日本人を自称する加藤嘉一の寝言のようなコラムや、今回紹介する内田樹など言論界の一角に棲む人たちの記事です
神戸女学院大学名誉教授にして哲学者の内田樹のインタビューでは、その著作「街場の戦争論」の背景を語らせています


内田樹が語る「戦争について真剣に考えていない国が『戦争のできる国』になろうとしている現実」


長い記事ですが、中身は戦後政治への批判の体裁を借りた日本人論です。しかし、安倍首相を右翼だの対米従属派だのと決めつけているだけで、特に斬新な視点で歴史を読み解いているわけでもなく、巷にあふれる日本人論や、現代史を巡る居酒屋談義と大差ありません
先に当ブログでも取り上げた白井聡の「永続敗戦論」も同様でしたが、こうした言論に共感を覚える「若者」とはどんな人達なのか、と訝しく思います
内田樹は日本政府を対米従属だと批判してますが、アメリカとの関係を薄めて共産党独裁で人権無視の中国と仲良くすべきだとでも言いたいのでしょうか?
言論の自由も認めない異常な政治体制の中国より、今の日本の方がよほどましな社会でしょう。政府を批判したところで死刑になったりはしません
あるいは対米従属の国は日本だけではなく、数多く存在します。そんな国々がすべてアメリカに搾取され奴隷のごとき存在であるとは言えません
中でも世界第二位の経済大国にまでのし上がったのは日本だけです。その部分だけを見れば、戦後日本の選択は間違っていなかったと誰もが認めるはずです
それに対米従属が気に入らないのであれば、日本はアメリカから与えられた憲法を破棄して、独自の憲法を制定するべきだとの結論に達します。安部首相の政治信条そっくりです
歴史の表層だけすくい取り、自説に都合の良い事実だけを並べるような組み立て方は内田樹の批判する歴史修正主義者の手法なのですが、内田先生がやっているのもそれと同じです。ですから内田先生が故意に取り上げようとしなかった、自説に都合の悪い歴史事実を列挙するだけで、反論できてしまうわけです
何より日本は対米従属の姿勢を利用しながら戦後50年以上、直接戦争に巻き込まれるのを回避しつつ、経済発展を続けてきたのですから実に巧妙な立ち回りをしたとも考えられます(たとえそれが偶然であったにせよ)
内田樹は「日本が戦争をしようとしている」と警鐘を鳴らすわけですが、いったいどこの国を相手に何を目的に戦争を仕掛けるつもりだと決めつけているのでしょう?
「日本が中国を相手に全面戦争をする」との仮定は無理があります。中国相手に総力戦を挑むメリットなど、今の日本に存在しないのですから

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