「はやぶさ2」打ち上げ 韓国は宇宙予算大幅削減
小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げが成功し、長い旅へと送り出したところです。いつもなら日本のロケット打ち上げが成功するたび、隣の国のメディアは「韓国も宇宙開発では負けていない」とばかりに珍妙な記事を書くのが常です
今回は、「来年度予算で韓国の月面探査事業予算がゼロ査定になっている」との記事を掲げ、2020年までに自主開発のロケットで無人探査機を月に送る計画が大幅に遅れるとの懸念を表明しています
韓国の2015年度国家予算に「月探査事業」が反映されず、2020年までに独自に開発した月探査船を韓国型ロケットによって打ち上げるとしていた探査計画が遅れる見通しとなった。
4日、未来創造科学部と韓国航空宇宙研究院によると、来年度予算案の国会処理過程で月探査事業予算410億8000万ウォン(約44億1200万円)が全く反映されておらず、2017年までに月探査の自力インフラを確保して2020年までに月軌道船・着陸船を韓国型ロケットで打ち上げるという計画を見直さなければならない状況になった。
これに伴い、国家宇宙開発政策を審議する国家宇宙委員会が来週会議を開き月探査計画の見直しなどを話し合うことが伝えられた。
月探査事業は1段階事業期間(2015~2017年)に1978億ウォンを投入し、月探査システムや本体開発、軌道船・着陸船・月科学搭載体の開発など月探査の自力インフラを確保し、2段階事業期間(2018~2020年)に4757億ウォンを投入して独自開発した無人月軌道船と着陸船を韓国型ロケットで打ち上げることだ。
2014年12月04日10時21分 [中央日報日本語版]
実用的な人工衛星の打ち上げるロケットの開発もままならない状態で、なぜか韓国では「自主開発のロケットで月面探査機を2020年に打ち上げるニダ」と、壮大な計画を発表しました
ご承知のように先般、打ち上げが成功した韓国のロケット「羅老号」はロシアに丸投げして製造してもらったものであり、通信衛星や気象衛星を静止軌道にまで送り込む能力はありません。ロシアとの協力関係も終了しており、「羅老号」を今後も打ち上げることは不可能です
そのため韓国はウクライナが持つロケット技術を導入し、大型のロケットエンジン開発に取り組み始めたところです
そしてケネディ大統領が「月へ人を送る」というアポロ計画の実行に踏み切ったように、韓国も月面探査を目指すとの計画を明らかにしました
ところが今回、韓国政府は関連予算を削減しようとしており、その迷走ぶりに拍車がかかりそうです
レコードチャイナがこの報道に関する韓国人の反応を紹介しています
「どうせただのショーで終わるんだから、初めからやらないでほしい」
「無理に計画を進めるよりも、確かな技術力を得るために、小中学校の教育や大学の研究支援、有能な科学者や技術者の待遇改善に力を入れてほしい」
「月探査なんて、日本のように余裕のある国がやることでしょ?」
「日本ははやぶさ2の打ち上げに成功した。はあ、ため息しか出ない」
「基礎科学が弱いのに月探査だなんて、何か勘違いしてない?ここは日本じゃない」
「国会議員は何を考えているの?大事な未来の資産なのに」
「世界と競争している韓国としては、一日でも早く宇宙開発を始めなければならない。来年度の月探査予算に反対したやつらは、韓国の未来のことを何も考えていない」
政府の思惑によって予算がカットされるようでは、2020年まで開発計画を継続するなどできないわけであり、「絵に描いた餅」で終わってしまうのかもしれません
そもそも韓国がロケット開発を目指したのは北朝鮮に対抗するためであり、日本にも負けたくないとの思いからでした。韓国が手にしたいのは大型の人工衛星を打ち上げられるロケットというより、大陸間弾道ミサイルであり、これを保有することで日本や中国を軍事的に牽制できる、と考えたからです
しかし、このままでは大型ロケットの自主開発は進まず、朴大統領の壮大な月面探査計画も次期大統領の手で白紙撤回されるのでしょう
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