「韓国デジタル・マンファが急成長」と報じるメディア
テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」はお堅い経済情報番組ですが、そこで韓国のデジタル・マンファ市場が急成長していると、紹介したのだそうです
以下、おたぽるの記事を部分的に引用します
盛り上がりは日本以上!? アメリカの「マーベル」も太鼓判を押す、韓国デジタルマンガ事情
(前略)
12月23日放送の『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京)は、韓国のデジタルマンガ事情を紹介。韓国では現在、紙媒体のマンガは出版不況ですが、相対的にデジタルマンガの隆盛が著しいといいます。また、その読者だけでなく、芸能人に憧れるような感覚でデジタルマンガ家になりたい人も増えているとか。
こうした流れを受けて、去年6月にはデジタルマンガ専門の出版社・レジンコミックスが登場。わずか1年半で会員230万人を獲得し、これまでに10億円以上の売り上げをあげているそうです。その特徴は課金システム。レジンコミックスは日本のマンガアプリと同じく、基本的に読むのは無料で1週間など一定期間待てば続きも読めるというもの。しかし、課金をすればすぐに続きを読めるというシステムを導入。すると、利用者の15%が課金するという結果になりました。課金システムは利用者の5%が課金すれば成功と言われているので、この数字は驚異的ともいえるでしょう。
(中略)
こういった韓国のデジタルマンガには、新しいマーケットを作り出す力があると海外からも熱い視線が。アメリカ「マーベル」のセブルスキ副社長は「韓国のデジタルマンガが翻訳・輸出され、クリエイターたちがこのスタイルを採用している、韓国はデジタルマンガ市場で画期的な作品をつくりはじめている」と評価。
たしかに韓国のデジタルマンガを見ると、効果音や声が入っていたり、絵が動くといった作品が日本に比べて多く見られます。あのマーベルが太鼓判を押すほどの韓国のデジタルマンガ、今後の動向にも注目です。
韓国の企業がインターネットで漫画を配信しているという、中身はたったそれだけの記事です
課金のシステムが成功の鍵だと言いたいのでしょうが、もう少し作品など実態に踏み込んだ取り上げ方はなかったのかと突っ込みたくなります
230万人の会員を集め、10億円を売り上げたと報じられても、「それが何か?」と思うだけです(日本では同人誌市場だけで500億円の規模)
確かに紙媒体の漫画雑誌、単行本の売上は日本も深刻な状況ですが、だからといってインターネット配信事業で日本が遅れをとっているわけではまりません。コンテンツの豊富さでは圧倒的でしょう
要するに紙媒体を手にして読むか、スマートフォンで読むかという読者の嗜好の問題があり、紙媒体での漫画が愛される現状を「悪」とは断定できません
さて、記事で注目するデジタル・マンファの新しい表現力とやらもどうなのでしょうか?
音が出るとか、画が動くとか、そんな程度で「新しい表現を可能にした」などと断じるのは尚早であり、多くの読者の支持されるヒット作が生まれない限り、従来のマンファと変わりはないと考えます
こうした記事が出るたび、韓国のマンファを総合的に紹介したサイトがあれば参考になるのに、と思うのですが検索してもひっかかりません
記事で紹介されているレジンコミックスは日本語サイトも開設しており、来年3月からスマートフォン向けに配信を開始するのだそうです。そちらでデジタル・マンファの最新作に触れることができそうで、関心のある方は覗いてみて下さい
レジンコミックス
(関連記事)
韓国漫画「エスパーマン」はスーパーマンをトレースと露見
「ウェブ漫画の元祖は韓国」であり「文化強国」だと主張
「韓国はいかに日本漫画を受容したか」論を読む
高校漫画大会で優勝の韓国「日本の鼻をへし折った」
朴大統領「韓流漫画の海外進出を支援」
日本の漫画を超えた韓国マンファ「プリースト」映画化
マンファを売り込もうとする韓国
日韓アニメ・マンガ市場の比較
文化観の違い パリ・ジャパンエキスポを巡って
日韓アニメーション産業の比較
なぜ漫画は世界規模の文化製品になったか 仏誌の記事
「日本漫画の時代は終わった」と報じたメディア
マンガ強国をあきらめきれない韓国
韓国のマンファ ストーリーが秀逸?
韓国メディア「金正日没後の世界を描いた韓国マンファが日本で大人気」
韓国メディア「これからは漫画ではなくK-Comicsの時代」
韓国マンガ 自称100年の歴史
韓国書店の漫画売上 1位から17位まで日本作品
イギリスで「日本漫画大討論会」
コミックマーケットに見る日本の底力
講談社編集者 妻殺害容疑で逮捕