中国習近平主席がテレビドラマに駄目出し 引締め強化

荒唐無稽な反日ドラマを連日放送している中国で、習近平国家主席がこうした安易な風潮に警告を発し、思想的な引締めの強化に踏み出すべきだとする講話を発表したと報道されています
かつての文化大革命のような、思想引締め運動に踏み切るつもりなのでしょうか?
レコードチャイナの記事を部分的に引用します


中国共産党の習近平総書記(国家主席)は15日、北京市内で自らが招集した文芸工作座談会で、「文芸事業は党と人民の重要な事業であり、文芸戦線は党と人民の重要な戦線である」、「文芸を市場の奴隷にすることはできない」と述べた。作品の創作や発表への引締め強化を強く匂わせる発言だ。
中国の政治や行政の場で「文芸」の語がつかわれる場合、文学、美術、音楽、舞台芸術、テレビドラマや映画など、純粋芸術から娯楽作品まで広い分野を対象とする。
(中略)
習近平主席は「文芸事業は党と人民の重要な事業であり、文芸戦線は党と人民の重要な戦線である」と述べた。文芸界の現状については「改革開放以来、中国の文芸創作は新たな春を迎え、多くの人々が親しむ優秀な作品を大量に生み出した」と評価した上で「質に問題のある作品も多いことも否定できない」と批判。
さらに「高原はあるが頂上はない」との表現で、突出した作品が見られないと主張し、「模倣や剽窃(ひょうせつ)、どの作品も同様という問題がある。機械的に作り、ファストフードのように消費するとの問題がある」などと論じた。
(後略)


この記事にはレコードチャイナの編集部による長文の解説が添えられています
思想的な引締めがかつての文化大革命やスターリン独裁のような、思想の自由を奪い、弾圧へと結びつく危険を指摘したものです

文芸を特定の思想や政治目的に「奉仕」させる考えは、ナチスを率いたヒトラーやソ連のスターリンと同様であり、結果として反体制的な内容を含む作品だけでなく、当局の意向とは関係のない、あるいは「権力者の理解が及ばない新たな様式の作品」までもが「堕落」、「退嬰」などのレッテルを貼られて弾圧されることになった。
中国では改革開放以来、文芸界に対する「締め付け」は緩和された。さらに2012年秋までの胡錦濤政権時代には、文芸作品の問題についても「よくない作品は結局は淘汰される」との説明が多かった。習近平発言は、当局の積極的介入を匂わせる点で、「引き締め」へのかじ取りを強く思わせる。

習近平が時代錯誤の思想強化運動に走るのかどうか、分かりません。が、開放改革路線で自由放任するのは危険だという、反動的な考えの持ち主なのでしょう
香港で民主化を訴えるデモが続いていますが、中国共産党のトップとしてそのような運動は誤りであり、中国共産党による一党独裁体制を揺るがすものだと危険視しているはずです
中国共産党が引締めに乗り出せば、たちどころに創作の自由は失われ、中国共産党を賛美する作品以外は作れない状態に陥るものと予想されます
韓国ドラマを模したトレンディな恋愛ドラマなど、「退廃的だ」とのレッテルを貼られて放送禁止になるのでしょう。アニメーションも規制の対象となり、面白い作品が生まれる可能性はますます低くなるはずです

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