資産家夫婦殺害で死刑判決

2012年12月、東京に滞在していたスイス在住の資産家夫婦を殺害したとして逮捕、起訴されていた渡辺剛被告の判決公判があり、東京地方裁判所は死刑判決を言い渡しています
死体を遺棄した後、渡辺被告は宮古島へ潜伏していたのですが、トイレの洗浄剤を飲んで自殺を計ったところを警察に保護されています。その際、「東京で人を殺してきた。ニュースで遺体発見を知り、死のうと思った」と語っていたのだとか。しかし、公判ではこの自供を翻し、「自分ではなく第三者の犯行」だと主張していました
上記の判決では、「殺害および死体の処分も予定した高度に計画的な犯行で、悪質性、重大性は際だって高い」と裁判官は判断を下しています
架空のパーティへ誘って連れ出すなど、殺害するまでの手口は用意周到だったと言えますが、被害者の資産を乗っ取ろうとする部分はまったくの素人です
スイスの銀行にある被害者の資産には手を付けることもできず、奪ったクレジットカードで新幹線回数券(約381万円相当)を購入しようとしたのがせいぜいでした。2人を殺害するという凶行には釣り合わないものです
死体遺棄を手伝った共犯者には、「数千万円のまとまった金が手に入る」とでも言って誘いをかけたのでしょう
自分も金融実務に関してはまったくの素人なので、偉そうなことは言えません
あえて憶測すれば、スイスの銀行に預けている金融資産を解約して引き出すには、本人が直接店舗へ出向き、厳重な本人確認をした上で数多くの関係書類にサインをするといった手続きが必要なのでしょう
渡辺被告が日本であれこれ足掻いたとしても、指一本触れられないわけです

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