インド版「巨人の星」 視聴率は0.2%だった

2012年に講談社が「巨人の星」のインド版をアニメで手がける、との報道がありました。しかし、現地の反響など、その後についてはほとんどメディアでは取り上げられず、成功したのか失敗したのかも不明なままでした
あらためてこのインド版「巨人の星」である、クリケットに打ち込む青年の物語「SURAJ」を取り上げます
あれこれ語るよりも前に、どのようなアニメーションになっているのか動画を紹介します

Suraj The Rising Star 27th Jan Full Episode


びっくりするくらいの低クオリティであり、どこのアニメーションスタジオが手がけたのかな、と思ってしまいます。よほど低予算で制作したのでしょうか?
さて、現地の反応ですが、日本経済新聞の記事を引用します


調査によると、番組の視聴率は0.2%程度。
日本人の感覚からすると「やや少ないのでは?」と心配になるが、古賀さんは「インドにはテレビが700チャンネルもあるのでかなり健闘している」と自己分析する。
日本の視聴率とは単純に比べられないものらしい。
スポンサー集めなどを担当した博報堂による現地でのヒアリング調査によると、(1)貧しい境遇の主人公が努力と根性で成功する話に共感を覚える(2)主人公が「スーパーマン」ではなく、時には失敗し、挫折し、苦しみながら生きる姿が自分と等身大で身近に感じる。感情移入ができる――など、視聴者の間では好意的な意見が多いそうだ。


上記の動画を見れば、現地の放送で日本企業がスポンサーを務めているのがわかります。日本発のアニメをインドに売り込み、同時に日本企業の知名度もアップさせようとの狙いなのでしょう
さて、上記の日本経済新聞の記事では、「SURAJ」第1期は26話で終了となっています
紹介した動画は27話ですから、第2期の制作・放送が実現したわけで、この先どれくらいインドの視聴者に浸透できるか、推移を見守りましょう
視聴率だけで「失敗だった」と断じるのは早計であり、この試みと経験をどう活かすかが大事です
ただ、いきなりインド版「エヴァンゲリオン」などやろうものなら宗教対立を引き起こす可能性もあり、「日本で成功したアニメならなんでも」とはいきません
セーラームーンのような魔法少女物も、インドの社会では難しいと思われますやはりスポ根路線が無難なのでしょうか?

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