韓国フェリー事故のその後 収拾は困難・迷走
4月に起きた韓国のフェリー事故は477人もの乗客・乗員が犠牲となる大惨事であり、韓国の社会や政治にも甚大な影響を与えています
この事故の報道について、ここ最近はブログでは触れていませんでしたので、あらためて現状を調べてみました
フェリーを運行していた会社の実質的なオーナーは当局の出頭命令を無視したまま、韓国内に潜伏中です。責任感など微塵もなく、ただひたすら逃げ隠れするという異常な展開になっています
犠牲者の遺体捜索は現在も続行されており、まだ14人の遺体が回収されていません
そんな中で、韓国の中央日報は「政府内部の検討事項」として、船体の引き揚げ断念のシナリオを紹介する記事を書いています
船体引き上げの難関は技術・費用・時間だ。海洋水産部の検討作業に助言した李奎列前ソウル大学造船海洋工学科教授は、「引き上げ費用は最小1000億ウォン、時間は最短1年かかるだろう」と予想した。
李前教授によると、船体を引き上げるにはクレーンに引き寄せるワイヤーをつなぐリングを船体外部にいくつか作らなくてはならないが、事故現場のように潮流が速いところではダイバーが作業を進めるのも容易でない。潮の流れが弱い時だけ選んで作業をしなければならないため短期間で終わらせることはできない。
李前教授は、「韓国の業者はセウォル号のように大きな船の引き上げ経験がなく、大型貨物船の引き上げ経験がある海外の業者の技術力を動員するほかはない。海外の専門企業は安全措置に大きな費用をかけるため支払う金額は1000億ウォンを大きく超えるかもしれない」と話した。
◇独島・離於島海洋基地のように建設
セウォル号を沈没状態そのまま現場に保存する場合、海洋汚染と船舶航海妨害を誘発する恐れがある。海洋水産部はこれに対する検討もすでに行った。海洋水産部関係者は、「残っている燃料をすべて除去すれば汚染の恐れはほとんどない。現在海水面と沈没したセウォル号の最上部までの距離が22メートル以上でその地域を通る船がセウォル号と衝突する危険はないものと把握した」と明らかにした。
沈没現場に追慕公園を作るには約500億ウォンがかかると海洋水産部は予測している。
(後略)
<韓国旅客船沈没>セウォル号引き上げ、早くても1年かかる見込み(1)
要するに、船体引き揚げにはお金がかかり過ぎるのでこれを断念し、海の中に沈めたまま追悼施設を建設してお茶を濁そうというものです
遺族に迫られた朴大統領は「船体は必ず引き揚げる」と約束したはずです
しかし、引き揚げたところでスクラップにしかならないのだから、莫大な費用をかけるのは無駄だ、との議論が政府内では交わされているのが見て取れます
当初は救助のために早急に船体を引き揚げるべきだとの意見が主流だったように記憶しているのですが、ここにきて大きく様変わりしています
いかにお金をかけず遺族を納得させるかを韓国の官僚は考え、追悼施設の建設という案をひねり出し、これをメディアに流すことで世間の反応を探っているのでしょう
本当に船体の引き揚げ費用が1000億ウォンで、追悼施設建設がその半分の500億ウォンなのかは不明です。単なる数字合わせで、追悼施設建設の方が割安だと国民に思わせるため、引き揚げ費用の半分という額を提示しているだけだと推測されます
船体を引き揚げるか否かの結論を出すのはまだ先だとしても、これまでの捜索費用も莫大な額になっており、船体引き揚げとなればさらに重い負担が政府にかかるわけで、官僚としては予算のやりくりが気になるのでしょう
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