佐世保小6殺人から10年を問うノンフィクション
佐世保市の小学校で女子児童が同級生に殺害されるという衝撃的な事件が発生してから、今年で10年になります
当時、事件を取材していた毎日新聞社の記者が「謝るならいつでもおいで」(集英社)と題するノンフィクションを出版したと、サイゾーが記事にしています
殺害された女子児童は毎日新聞佐世保支局長の娘であり、記者とは顔見知りでした。それゆえ、事件報道と顔見知りである少女の死との間で、揺れ動き、混乱し、さらには理解不能な犯行に悩んだ経緯が記されているようです
佐世保小6女児同級生殺害事件 周囲の人々が抱える10年間の葛藤
このノンフィクションを手にして読んだわけではありませんので、中身についての論評はしません
ただ、事件から10年目となる今、筆者がこのノンフィクションを世に問おうとした心情は、「謝るならいつでもおいで」というタイトルに表明されているように感じます。不可解な事件に決着をつけるには、「犯人の謝罪しかない」との思いでしょう
事件当時小学生6年生であった犯人も、10年を経過して成人に達しています
おそらくは児童相談所の職員か、そのOBを仮親としてどこかの県で名前を変え、暮らしているものと推測されます
いまさらメディアの前に彼女を引っ張りだし、「なぜこんな事件を起こしたのか?」と詰問すべきだとは考えません
ただ、社会的な責任を何らかの形で果たすべきであると言いたくなります
加害者の親は、娘の現在について口に出さないよう児童相談所から念押しされているのでしょう
事件についての仮説ならいくらでも捻出できるわけですが、いくら仮説を並べたところで被害者の遺族、関係者が納得するはずはありません
もちろん、犯人自身が今になって事件の動機などを語ったとしても、それで納得できるはずはなく、グロテスクな幻想と歪んだ価値観に彩られた物語に困惑し、嫌悪感しか覚えるだけでしょう
上記のノンフィクションが求めているのは、犯人のそうしたドロドロした欲望の吐露ではなく、殺害された御手洗怜美さんへの謝罪であり、和解なのだと思います
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