韓国フェリー事故 救命ボートを降ろさなかった謎
韓国のフェリー事故で、セウォル号と海洋水産部(省に相当)傘下の済州管制センターが交わした無線交信の内容が報道されています
それを読んでいて疑問に思ったのは、交信の中に救命ボートの使用がまったく登場しない点です
インターネットの掲示板には、このフェリー事故で使われた救命ボートが1艘だけであった点を取り上げ、「船体に並んでいる救命ボートを収納したカプセルの中は空だったのではないか?」と指摘する声があります
救命ボートは定期的にメンテナンスを加えないと使用できなくなるため、遭難したフェリーは空のカプセルだけを船体に備え、偽装していたのではないかとの意見です
実際に使用した救命ボートは乗員が乗り込んで避難したものです。おそらくこの救命ボート以外は空のカプセルだったか、あるいはメンテナンスがされておらず使用不可能な状態だと乗員は知っていたのかもしれません
以下、朝鮮日報の記事を部分引用します
脱出命令に関する話が出たのはさらに17分たった9時24分だった。セウォル号側が「脱出させたらすぐ救助できるか」と尋ねると、海洋警察は「われわれはそちらの状況が分からないから、船長が最終的に判断して決定せよ」と判断を押し付けた。
その後、午前9時38分の最後の交信までセウォル号も海洋警察も脱出命令を出さなかった。この時、タンカー「DOOLA ACE」が近くで救助を準備していることを4回の交信で知らせてきていた。その間、セウォル号船内では「客室で待機してください」というアナウンスが繰り返されていたが、午前10時15分ごろになってやっと「海に飛び込んでください」と放送された。このとき、海洋警察と交信していた船長や1等航海士らは既に脱出した後だった。
海へ飛び込むか、船室で待機するか、選択肢が2つしかないのは実に不可解です
救命ボートに乗客を移し、海上で救助を待つという選択が最初から欠落しているわけですから
船が傾き始めてから沈没するまで2時間ほどかかっており、救命ボートを下ろす機会はあったはずなのに実行されなかったのですから、きちんと解明してもらいたいものです
ですが、今回の事故への対応を巡る韓国政府のドタバタ振りを見れば、事故の真相を究明するまで相当の時間がかかりそうです
そもそも大統領や首相が現地に赴き、救助作業の指揮を執るべきだという韓国の世論や一部メディアの主張は理解しがたいものがあります
現場の指揮は担当すべき役職者に委ねるのが筋であり、経験も知識もない大統領や首相が現場に乗り込んであれこれ思いつきの指示を下せば混乱に拍車がかかるだけでしょう
なのになぜか、韓国では大統領や首相が直接指揮をすべきだ、との主張が繰り返されます(さらに、被害者の家族は「大統領に直訴する」と息巻いています。朴大統領に直接要求やら感情をぶつけ、何かを解決しようという考え自体が間違いなのですが)
これでは政府組織が大統領や首相の顔色をうかがうようになり、その言動に過敏に反応するばかりで、組織力など発揮されません。最後は朴大統領自身が酸素ボンベを背負って救助に向かわないと、世論は納得しなくなるのでしょう
あまりにも馬鹿げた反応であり、要求です
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