韓国「シルクロードエクスプレス構想」の虚妄
韓国政府は鉄道でアジアからヨーロッパまでを結ぶ、「シルクロードエクスプレス」を計画しているのだそうです
以前にも日韓海底トンネル構想があり、大陸から孤立した日本は海底トンネルで朝鮮半島と結びつきたがっている、と勝手な妄想を繰り広げていました
韓国の朴大統領によれば、「釜山から北朝鮮経由でヨーロッパまで鉄道網を結び、ユーラシア大陸の国々との経済的な提携を図ろう」との壮大な計画です
しかし、それが実現する可能性は低く、また実現したところで大して成果は見込めない机上の空論にすぎません
以下、朝鮮日報の記事からの引用です
南北分断でユーラシア大陸と切り離されてしまった韓国の鉄道が大陸鉄道と一つにつながる第1歩を踏み出した。
韓国鉄道公社は21日(現地時間)、ポーランドのワルシャワでユーラシア大陸鉄道関連の国際機関「鉄道国際協力機構(OSJD)」に「提携会員」として参加した。同公社が23日、明らかにした。
釜山からヨーロッパまでを鉄道でつなぐには、ユーラシア大陸鉄道のさまざまな規約を定め、加盟国間の協約を扱うOSJDへの加入が不可欠だ。同公社が今回、OSJDに提携会員として加入したことで、朴槿恵大統領の「ユーラシア・イニシアチブ(EurasiaInitiative)」構想の中核「シルクロード・エクスプレス(SRX=南北朝鮮からヨーロッパに至る鉄道)」の実現が一歩近づいた。
朴大統領は昨年10月、「ユーラシア・イニシアチブ」を通じ、ユーラシア大陸の国々との経済協力を強化して北朝鮮の開放を誘導、韓半島(朝鮮半島)統一の基盤を固めようという構想を発表していた。
「鉄道国際協力機構」の正会員にならないと何ら具体的な活動はできないのですが、正会員になるためには参加国の全員一致の賛成が必要なのだとか。韓国は正会員としての加入を求めているものの、北朝鮮の反対で正会員にはなれないため、格下である提携会員の資格で参入が認められた、という記事です
提携会員になったというだけで、「シルクロードエクスプレス」が実現したも同然と気負っている姿が何とも韓国らしいところでしょう
おそらく韓国は北朝鮮経由でシベリア鉄道に乗り入れ、ヨーロッパまで列車を走らせようと夢想しているのでしょうが、各国とも鉄道レールの幅が違ったりと、さまざまな問題があります
さらに、釜山からわざわざシベリア鉄道経由でヨーロッパまで旅行する乗客がどれだけいるのか、疑問です
あるいは鉄道貨物輸送で物流をおさえることこそ、韓国の狙いだと指摘する人もいるかもしれませんが、先にも書いたようにシベリア鉄道では貨物の盗難が頻繁に起きており、物流のために利用しようとする企業が多数存在するとは思えません
加えてロシア政府はシベリア鉄道の近代化に60兆円の資金が必要だとブチ上げ、日本などに出資を呼びかけていたりもします。しかし、日本がシベリア鉄道の近代化に金を出したところで、ロシア政府は政治的な要因で日本企業の貨物をストップさせる嫌がらせを平気でやるわけで、まったく信用できないのです
ロシア政府ならば朴大統領の、「シルクロードエクスプレス構想」を大絶賛し、シベリア鉄道に出資しないかと持ちかける可能性もあります。そんな誘いにホイホイと乗れば痛い目を見るのは確実です
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