大阪市公募校長パワハラで更迭
大阪市では公立校の学校長を公募し、民間出身者を活用する試みを続けています。が、トラブル続きであり、せっかくの試みが成功しているとは言い難い状況にあります
部下へのパワハラが問題視された３８歳の校長については、市教育委員会が更迭を決めたと報じられています
出直し大阪市長選に出馬している橋下徹前市長（大阪維新の会代表）肝いりの公募制度で民間から就任した市立巽中学校（生野区）の北角裕樹校長（３８）について、市教委が「学校業務を停滞させた」などとして近く更迭する方針を固めたことが１９日、市教委関係者への取材で分かった。
市教委によると、北角校長は平成２５年４月の着任以降、教職員や保護者らから「独断的な学校運営」などと批判され、ＰＴＡが更迭を求めていた。７月には教頭が北角校長と口論の末に土下座して謝罪するトラブルがあり、教頭はその後、休職した。
北角校長は元日本経済新聞記者。同市の公募校長をめぐっては１人が「自分のスキルを生かせない」と就任約３カ月で早期退職したほか、別の１人が保護者らへのセクハラ行為で更迭された後に退職。不祥事やトラブルが相次いでいる。
個人の資質の問題もあるのでしょうが、もう１つ忘れてならないのは公募による校長が橋下市長のスタイルを踏襲し、高圧的に振る舞っているところにあります
「自分は公募によって選ばれた校長だ」＝「オレのバックには橋下市長がいるんだぜ」と思い上がり、自分の学校経営を批判し従わない者は橋下市長を敵に回すも同然だと考えているのかもしれません
橋下市長の行政はトップダウン方式であり、部下の言い分に耳を貸さず、「行政の長である自分が決定したのだから反対や批判は絶対に許さない」という姿勢が売りです
この市長の姿勢を真似て学校という場で、長年勤めてきた教員の言い分に耳も貸さず、校長の独断専行で校務を進めようものならトラブルが発生するのは目に見えます
校長と教頭の口論の実態は不明ですが、教員の総意を元に教頭が校長を諌めようとして言い争うになったと想像されます
その場は校長が橋下市長まがいの論法で教頭をやり込め、土下座させたのでしょうが、事態は何ら解決せずこじれたままです。教頭が休職しているのは校長への抗議の意思表明と受け取れます
いかに公募によって選ばれた校長といえど、何でもかんでも独断で決めれるものではなく、職員会議にはかり、教員と合意を形成した上で校務を遂行するべきでしょう
もちろんどこの学校もさまざまな問題を抱えており、教員同士のなあなあな関係が弊害となって解決できないまま放置されている、といった実態もあります
だからといって公募による校長が大鉈を振るってばっさりとやれば解決できる、とは限りません（もちろん、情実に左右されず冷徹に判断し、切り捨てるべきものを断固として切る覚悟は大切ですが）
３８歳の校長は橋下スタイルで学校改革を断行し、功績を挙げようと焦ったのでしょうか？
バスケットボール部の主将を自殺に追い込んだ桜宮高校のように、部活の顧問である教員が体罰を繰り返しているのを知りながら、実績を優先するあまり懲戒処分を躊躇し校長もいます。こうした教員同士のもたれ合い、かばい合いといった教育現場の弊害を打破するための公募制度だったはずですが、大きく変質してしまったようです
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