札幌女児誘拐事件を考える1 なぜついて行ったか?

札幌で1月27日午後から行方不明になっていた小学生の女子児童を誘拐した男が逮捕され、女子児童は無事保護されました
最悪の結果も予想されただけに、まずは無事であったことを喜びたいと思います
逮捕された男は、「事実と違う」と誘拐・監禁を否認しているのだそうです
詳細な状況が判明していない現時点で決めつけるのは尚早ですが、今回の事件はわいせつ行為を目的とした卑劣な犯行と見て間違いないでしょう

「ちょっと来て」駐車場で声かけ自宅に連れ込む

「見知らぬ人に声をかけられてもついて行ってはいけない」と、家庭でも学校でも指導しているところですがこの種の犯行はなくなりません
「ふらふらとついていく方が悪い」との意見を吐く方もいます
しかし、こどもたちの側に立って考えると、こうした批判が随分と筋違いであるのが分かります
小学生のこどもたちが身近に接する大人は両親や学校の先生など限られた範囲に限られており、見知らぬ大人から声をかけられた場合にどう対応してよいのか分からないという現実があります
上記のように、「見知らぬ人に声をかけられてもついて行ってはいけない」と教えたとしても、ならばどう対応すべきかこどもたち相手に具体的なシミュレーションを行なったりする機会はほとんどないのです
よりはっきりと、「見知らぬ人に声をかけられたら全力で逃げろ。殺されるぞ」と教えた方がよいのでしょう。「ついて行くな」とか、「自分の身は自分で守れ」などと抽象的に教えるよりは
こどもたちは危機的場面に直接遭遇する経験がないのですから、大人の男性から刃物を突きつけられ「一緒に来い」と脅された場合、抵抗するのは困難でしょう
今回、逮捕された男が女児にどのように声をかけたのか、報道では明かされていませんが、雪の積もった道端で大人の男性が前に立ちはだかり「ちょっと来て」と言われた場合、その威圧感から逃れるのは難しかったのではないかと推測されます
あるいは雪道で足元が危うい中、目の前の男から逃げ切れるとは思わなかったとも考えられます
こどもたちの心情、大人との体格差、状況などを無視して「ついていく方が悪い」と批判したところで何も解決はしないのです

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