名古屋駅前暴走事件を考える1 秋葉原事件と比較
名古屋駅近くの繁華街で車を暴走させ、歩行者13人に重軽傷を負わせた事件で大野木亮太容疑者(30歳 無職)が逮捕されています
事件の外見から秋葉原で同様にレンタカーを暴走させ、多くの死傷者を出した加藤智大の事件と比較し報道する向きもあります
各社の記事を読み比べても、特段大野木容疑者に同情すべき事情があるようには思えず、「派遣斬りに遭った若者の悲劇」と扱われた加藤智大の立場とは大きく異なっているように映ります
殺人暴走の大野木亮太「一種の自殺」自分はすごい不幸、損しているという思い込み
加藤智大の事件では、「掲示板を荒らされたから」と本人が犯行動機を主張したため、「派遣斬りに遭った若者の悲劇」との扱いは霧散してしまい、逆に「掲示板を荒らされたくらいで無差別殺人に走るのか?」と疑われ、ひどく思い込みの激しい若者の無分別な行動として扱われるようになりました
当ブログでは「加藤智大による母親への報復」説を唱えてきたところです
では、本件の大野木容疑者も家族への報復という動機があったのでしょうか?
大野木容疑者の家族がそれぞれ家を出てしまったのが昨年、と報じられています
30歳にもなっていまさら、「家族に見捨てられた」と被害者ぶっているとすれば、かなり幼稚な人格の持ち主だと推測されます
家庭内暴力などの問題があったのかもしれず、現段階で犯行の背景をこうだと決めつけるべきではありません
大野木容疑者が口にしている、「頭を怪我したので就職できない」との言い分については頭部外傷に起因するてんかん発作が考えられます
てんかんは先天性の病気なのですが、てんかん患者でなくても大人になってから頭部を強打したため、てんかんに類似した発作を起こす症例があります
痙攣や意識喪失が伴いますので、仕事に就くのは困難です
J-CASTニュースの記事は、「類似の事件防止のためにも徹底した解明が待たれる」と結んでいるのですが、これはあまりに紋切り型であり、思慮に欠けた発言でしょう
今回の事件を徹底解明したところで、類似の事件防止に直接役立ったりはしません。事件から何らかの教訓を導き出し、類似した犯罪を防ぐための一助になってほしい、との願望は理解できますが
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