アクリフーズ冷凍食品農薬混入事件を考える1

「マルハニチロホールディングス」の子会社「アクリフーズ」群馬工場(群馬)で製造された冷凍食品に農薬マラチオンが混入された事件で、同工場の契約社員阿部利樹容疑者(49歳)が偽計業務妨害容疑で群馬県警に逮捕されました
従業員による犯行との展開を受け、「マルハニチロホールディングス」と「アクリフーズ」の社長が辞任を表明する事態になっています
安倍容疑者の取り調べはこれからですが、無口で人見知りの強い性格と報道されていますので、犯行の一部始終を自供させるのは難しいのかもしれません

冷凍食品農薬混入(上)農薬混入4回、突然の失踪決め手 待遇・上司に不満か

阿部容疑者は49歳で契約社員という身分です。アクリフーズには8年も勤務しているにも関わらず、時給制で雇われているとなれば待遇に不満があったと考えるのが当然でしょう
しかし、待遇に不満があったにせよ、製品に農薬を混入させたところで待遇が変わるはずもなく、何の利益もない犯行に映ります。工場が閉鎖され解雇、という最悪の展開も予想できるわけで
もちろん複雑な背景など存在せず、阿部容疑者が単なる鬱憤晴らしで犯行に至った可能性が濃厚だとは思いますが、失うものが大きいだけで何の益もない行動であり、いわば自爆行為です
限られた従業員だけが関わる製造工程の中で農薬が混入されたとなれば、容疑者が絞り込まれます。阿部容疑者は自分に嫌疑がかけられていると察知し、逃げ出さずにはいられなかったのでしょう
別の記事では阿部容疑者は改造スクーターを乗り回すマニアで、スクーターの改造に多額の金を注ぎ込んでいたと報じられています
契約社員の身分で趣味に大金を注ぎ込む余裕があったのか、と首を傾げたくなります
昨年の夏以来続いたアルバイト従業員によるツイッター炎上事件のような、世間知らずの若者による軽率な行為(それが犯罪であるとの自覚すら欠いており、ただツイッターに掲載してウケればよいとの思いでやった)とは異なり、高濃度の農薬によって殺人に至る危険もあった行為なのですが、阿部容疑者にどこまでその認識があったのでしょうか?
「農薬を混入して騒ぎになるとは思っていたが、食べた人間が死ぬ可能性までは考えなかった」として殺意は否定するのかもしれません。が、幼い子供が食べていれば吐き出しても中毒症状によって死亡する危険は十分にあったわけで、阿部容疑者の犯行を微罪として扱いべきではありません
捜査の進展を見守りつつ、継続して言及していくつもりです

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