同性愛数学者に恩赦 英女王
2013年12月24日、イギリスで故アラン・チューリングに対し女王エリザベス2世の名をもって正式に恩赦が発効しました
数学者アラン・チューリングは第二次世界大戦中にドイツ軍の暗号解読に貢献し、「終戦を早めることで戦争犠牲者の数を減らした」功績とともに、コンピューター理論の父としても知られている人物です
しかし、1952年に同性愛行為で有罪判決を受け、その数々の功績にも関わらず不道徳な人物として蔑視された結果1954年青酸中毒により死亡しています(青酸化合物を塗ったりんごを食べ自殺したものと見られています)
今回の恩赦はチューリングの功績を評価してその罪を免除するものでなく、不当な差別によって彼の名誉を著しく損なった過ちを国が認め、女王の名をもってそれを回復させようというものです
チューリングは職場の同僚を誘惑し同性愛行為を迫ったわけではなく、映画館で若者に声をかけ、合意の上で同性愛行為をしていたようですが、当時の社会としては十分に不道徳な行為であり、これを処罰する法律も存在していました
ですからイギリスの司法手続き上はまったく問題はなかったとされ、2009年にはブラウン首相が「英国政府およびチューリングのおかげで生き延びたすべての人々を代表して謝罪する」と公式に表明していますが、「有罪とした判決そのものは合法であり時間は巻き戻せない」とも付け加えています
今回の恩赦は「国王大権による特赦」と呼ぶべきもので、戦後3人しか適応がないという例外的な措置です。遅すぎた感がありますが、アラン・チューリングの再評価のきっかけになるものと歓迎します
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