「ガールズ&パンツァー」を槍玉に挙げる中国

取り上げる時期を逸してしまった話題で恐縮ですが、中国で日本のアニメ「ガールズ&パンツァー」が「日本の軍国主義化の現れ」として批判されているとの記事をkinbricksnowさんが紹介しています

日本アニメ「少女与戦車道」に隠された日本軍国主義=中国人オタクの嘆き(百元)

中国の軍事系メディアの一つである「中国国防報」が掲載した記事なのだそうですが、あくまで一般人からの投稿を取り上げたものであり、メディアの記者が書いた記事(中国では公的メディアの掲載する記事は政府の公式見解に沿った内容かどうか検閲されるのが常識)ではありません
ただ、要約されている以下の内容を批判を眺めても、直接的な批判とは言い難いものです

・作品で描かれる日常生活は現代日本だが、戦車道の試合では二次大戦調に。
・戦争を美化する芸術は最も反感を呼ぶもの。しかも美少女を主役にし、作品全体にロマンと暖かさが漂っている。少女たちは戦車内を寝室のように飾り続け、訓練の中で成長している。美しい場面だが、しかし最終的に再現されるのは黒煙漂う戦場だ。
・きわめて専門的に戦車の性能を表現。戦車のメンテナンス、操縦、偵察、通信、火砲の操作、戦車ごとの弱点などを知ることができる。いわばマニュアルのようなものとなっている。
・軍歌が流れるシーンが多い。特に少女たちが幼い声でロシア民謡・カチューシャを歌いながら戦車を前進させるシーンは人気となった。

しかし、その下に続く中国の掲示板に見られるオタクたちの議論を読むと、日本がアニメで軍事を取り上げることへの拒否的な反応がありありで、反日教育が彼らの脳内を侵食している実態が垣間見えます
例えば、「日本のアニメ界が右翼化しているのは確かだと思うぞ。昔に比べて軍事関係のモチーフが増えているのは実感するし、日本軍関係のネタも普通に描写されるようになっている。気分よく見れるちゃんとした作品ってどんどん少なくなってしまうんだろうな」との発言にそれが現れています
日本の軍歌が流れたり、旧日本軍を感じさせるキャラクターや設定そのものを「邪悪」とする感覚が、中国の国民の間に深く浸透しているのでしょう
連日のように抗日ドラマ(旧日本軍の非道を告発し、それに勝利する中国共産党と軍を賛美するドラマ)を放映しているのですから、脳内に刷り込まれるのも当然だと言えますが
とは言え、中国が「ガールズ&パンツァー」のような萌え&軍事アニメを作れるはずもなく、ただ日本の創造力に呆れ、指を咥えて眺めるしかないのでしょう
あるいは、作品中に人民解放学園高校として中国チームが登場しなかったのが最大の不満なのかもしれません

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