宮崎駿の後継者を論じる中国メディア

鳴り物入りで登場したもののさっぱり注目されない新時代のメディア「ハフィントン・ポスト」ですが、あまりに憐れなのでそこから記事を1つ紹介します
中国の新聞「新京報」が、「次の宮崎駿になるのは誰か」という記事で日本のアニメ監督9名の名前を挙げていると紹介する内容の記事です

誰がふさわしい? 中国メディアが予想する「次の宮崎駿」

記事には高畑勲、大友克洋、細田守、庵野秀明、渡辺信一郎、湯浅政明、押井守、新海誠、宮崎吾郎の名が挙げられているのですが、なぜこの9名なのか不思議です
強いて推測すれば、「中国で名前の知られたアニメーション監督を列挙してみた」というところでしょうか?
スタジオジブリとの縁が強い監督もいれば、縁が薄い監督もいます
また、作風やアニメーションに対する考え方が必ずしもスタジオジブリのそれと合致しているとは思えない人物もいます
大友克洋などその代表でしょう。すでに大友節とも言える独自の作品世界を確立しているだけに、ジブリに入っていまさら宮崎駿風アニメを制作する可能性など考えられません
あるいは高齢の高畑勲を後継者に据えるなどありえないのであり、後継者問題はすなわち世代交代問題であると理解すべきでしょう
だとすれば、「コクリコ坂から」で前作の失敗を払拭した宮崎吾朗と、記事では名前が挙がってはいませんが、「借りぐらしのアリエッティ」で監督を務めた米林宏昌が有力候補と考えます
部外者である庵野秀明をジブリが招き入れるかは不明ですが、「風の谷のナウシカ」をリメイクして完全版を制作させるためなら起用もあり得るでしょう
上記の記事から宮崎駿の後継者問題に中国メディアが関心を示している事実は伝わってきますが、彼らが有用な情報を持ち併せていない事実も明らかであり、日本のアニメーション事情に通じているとは言い難いようです
中国メディアの中には日本のアニメーションについて自在に語れる人材はまだいない、と見て間違いありません

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