三重・中学生殺害事件を考える 犯行の狙い
三重県で花火見物に出かけた中学３年の寺輪博美さん（１５歳）が何者かに殺害され、遺体で発見された事件の捜査が続いています
現場にあった寺輪さんの財布から現金が抜き取られていたため、強盗殺人事件の扱いになっています
犯行現場に残されていた財布やスマートフォンから指紋が検出されていますが、警察のデータベースに該当者はなく、前科のない人物の犯行と考えられます
漆黒の闇で少女を襲ったのは誰か…遺体発見１週間、つながらない「点」と「線」
花火大会帰りの女子中学生が大金を持っている可能性はありません
となれば最初から金目的の犯行ではなく、強姦目的で襲った可能性を検討すべきでしょう
仮説としては、犯人は犯行現場近くのスーパーの駐車場に車を停め、買い物に来る若い女性を物色していたのだろうと推測します
車で買い物に来る女性ではなく、徒歩や自転車で店へやってくる女性を狙いを定めた女性がスーパーを出たところを車で追いかけ、人通りのない場所で襲う計画だったのでしょう
犯人は寺輪さんを押し倒し、抵抗を封じた上で強姦するつもりが、口や鼻を手で強く圧迫したため、意に反して窒息死させてしまったと思われます
寺輪さんの衣服を脱がせた後、寺輪さんが失神しているのではなく死んでいると気がつき、財布から金を抜き取って立ち去ったものと考えます
犯人は、「自分に前科はなく、指紋くらいでは身元は割れない」との自信があったのでしょうし、犯行を誰にも目撃されていないのでバレないと判断し、遺体や留品を現場に放置して逃げた、と自分は判断します
強盗強姦殺人をやる犯罪者の中には、殺害後に死姦する異常者もいたりするのですが、いまのところ被害者が強姦されていたとの発表はありません
上記の記事の中で専修大の森武夫名誉教授（犯罪心理学）は「空き地に連れ込むまでは計画的だが、後の処置はでたらめ」とコメントしています
最初から殺害など考えておらず、犯人は強姦した後、そのまま立ち去るつもりだったのでしょう
殺人事件ではしばしば犯人が遺体を運んで犯行現場とは別の、発見されにくい場所に遺体を捨てます。犯人が被害者と顔見知りの場合、その関係が露呈するのを防ぐためだったり、犯行現場とは別の場所に遺体を捨てることで捜査をかく乱する狙いがあります
本件の場合、遺体や遺留品を持ち去り、人目の付かない場所に捨てて犯行の発覚を遅らせる手もあったのですが、犯人がそうしなかったのは時間的に余裕がなかったからか、気が動転してしまいそこまで思慮が及ばなかった可能性もあります
あるいは前述したように指紋程度で犯人は特定されないとの自信があったためとの見方もできます
どう判断するかによって、犯人像は大きく変わってきます
暗い夜道を帰る途中に襲われ殺害された事件としては、島根の女子大生殺害事件が思い浮かびます。事件発生から３年経ってもまだ未解決のままです
本件の捜査も長期化しないことを祈ります
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