桜宮高校体罰教師に執行猶予判決
大阪市立桜宮高バスケットボール部主将の男子生徒が顧問の教師から体罰を受け自殺した事件で、被告となった小村基(はじめ)に懲役1年執行猶予3年の判決が言い渡されました
小村被告は被害者である生徒に暴行を加えた事実を認めたため、裁判は1回で結審していました
「理不尽というほかない」元顧問に猶予判決 大阪地裁
裁判では被告弁護側が犯罪事実を争わなかったため、検察側もそれ以上踏み込んだ質問もなく、被害者遺族が期待した事件の核心部分の解明、「なぜ部活で顧問による体罰が繰り返されたのか。学校側はその事実を把握しながらなぜ隠蔽したのか」については触れないまま終わっています
この結果に被害者遺族はやりきれない気持ちであったと推測されます
さらに小村被告は、「懲戒免職処分という社会的制裁を既に受けている」との理由で執行猶予がつきました
被告弁護側の、「事実関係を争わず、すべてを認めて裁判を速やかに終わらせる」との狙い通りです
確かに懲戒免職処分は重いと言えますが、それはあくまでも公務員という身分に付随する行政上の処分であり、刑事罰ではありません
刑事罰は刑事裁判で問われ、科せられるものです。生徒の人命が失われている重大さ、教師が生徒を死に追いやったという罪の深さを考えれば執行猶予付きの判決が妥当であったとは思えません
ましてや「懲戒免職処分を受けているから」との理由で実刑を科さず、執行猶予でごまかすようなやり方に遺族はがっかりしていると思われます
この事件については当ブログで何度も言及し、報道にも関心を払ってきました
しかし、小村被告が遺族に面会し、謝罪をし、体罰を加えた背景について説明をしたとの報道を見た記憶がありませんので、「刑事裁判で起訴されるので被害者遺族には直接接触しない」との態度を貫いたのだと推測します(自殺した被害者の通夜の席で親族から問い詰められた小村被告は、被害者の腫れ上がった顔について「自分の体罰によるもの」と認める発言はしていますが、謝罪の言葉は発しなかったと報道されています。この際、遺族の前で土下座はしていますが)
では判決を受けた現時点で小村元被告は遺族に謝罪するのでしょうか?
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