現代の切り裂きジャック事件に終身刑の判決 英国

3人の売春婦を殺害し、その体の一部を切り取って食べたという猟奇殺人でイギリスの社会を震撼させた現代の切り裂きジャックことスティーブン・グリフィスについて、気になりながらもその後の報道をチェックし忘れていました
逮捕後、留置場内で自殺を図ったりしたスティーブン・グリフィスですが、裁判は迅速に進み、2010年の12月末に終身刑の判決を言い渡されています

イギリスを震撼させた"人食い"に終身刑

3人の女性を殺害しただけでなく余罪もあると見られていたのですが、イギリスの検察当局は3人の殺害に絞って捜査し、起訴したのでしょう。3人の殺害で十分有罪を立証でき、最高刑(イギリスに死刑制度はありません)に処せられるとの判断によるものです
あるいは西ヨークシャー州界隈で行方不明となっている女性について、スティーブン・グリフィスとの関わりを調べるのが面倒だったのかもしれませんが(イギリスの報道によれば、西ヨークシャー州界隈で最近行方不明になっている女性が他に5人もいて、グリフィスの手にかかって殺害された可能性があるとの話です)
犯人であるスティーブン・グリフィスは大学で犯罪学を専攻しており、「切り裂きジャックの研究者が殺人に魅入られ、売春婦殺害を繰り返した」との報道もありました。が、順序は逆です
彼は猟奇殺人に関するインターネットのサイトの虜になり、その結果として大学で犯罪学を専攻するようになったのであり、最初から猟奇殺人への憧れと性的な興奮を求めていたと見て間違いありません
売春婦を殺害の対象とした背景についてはすでに触れていますので、繰り返しません。グリフィス受刑者の母親も離婚後、街で男性相手に売春をして生計を立ていたと明かされていますので、売春婦=悪い母親であり、なおかつ屈折した近親相姦願望が殺人の衝動を生み出したものと考えられます
ですが、グリフィス受刑者の犯行はあくまで彼の抱えた幻想と性的嗜好によるものであって、この事件と19世紀の切り裂きジャック事件を安易に同一視すべきではない、と自分は考えます

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