桜宮高校の体罰教師起訴 平手打ちのビデオ

大阪市立桜宮高バスケットボール部のキャプテンだった男子生徒が、顧問の教師による体罰を苦に自殺した事件で、大阪地検は小村基被告(47)を起訴しています
産経新聞は記事で、「本来ならば学校教育の場での体罰事件で起訴し、公の裁判を求めるのは異例。略式起訴で罰金刑が相当」だとする検察関係者の談話を載せています

元桜宮高顧問の起訴決定付けたビデオ 壮絶な平手打ちに検察絶句…

学校の教師が体罰で怪我をさせたとして逮捕される事案がどれだけあるのかは不明ですが、刑事事件として強制捜査になる例はさほど多くないのでしょう
多くの場合は刑事事件扱いにはならず、被害者である児童・生徒と学校側(教育委員会)で話し合い、和解するのが一般的だと思われます
そして検察内部にも、「教育現場に検察が介入するのは好ましくない」との思いがあると、記事からは伝わってきます
これが自分には意外に思えてなりません。検察当局自らが学校を聖域と見なしているのが明らかだからです
教育現場の自主性、独立性を確保するため、警察・検察は介入すべきではないとの主張が教育関係者から出るのは珍しくありませんが、検察がそう思っているとは驚きです
果たしてそうなのでしょうか?
「教育現場の問題に警察は口出しするな」という戦後の教育の思い上がりこそが、教師による体罰やらわいせつ行為を蔓延させてきた温床ではないかと自分は思います
体罰、いじめ、教師によるわいせつ行為といった病理を、学校自らが解決する能力はないのであり、警察・検察による介入は当然でしょう
産経新聞は一連の体罰問題で、「教育現場では体罰も含む厳しい指導は必要」だとする主張を一貫して展開しており、それゆえ体罰で教師を起訴すれば教育現場が萎縮してしまう、との懸念を表明しているわけです
しかし、体罰を問題解決の手段として用いることこそ禁じ手であり、教育の限界を示すものです
「最後は殴って言うことをきかせる」行為を正当化するのが、果たして教育の名に値するのか疑問です。それならば「最初から殴って言うことをきかせる」指導もありになってしまいます
話が逸れてしまいました
体罰の部分だけに注目するなら、本件は罰金30万円を科して決着する事案なのでしょう(懲戒免職という社会的な制裁も済んでいるわけで)
しかし、生徒を自殺にまで追い込んだ責任を検察や裁判所がどう考えるのか、いかに刑罰に反映させるのかが問われます

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