宮崎駿「慰安婦で日本は謝罪すべき」発言で物議
宮崎駿監督の劇場版新作「風立ちぬ」が今日から公開されています
作品に関しては別の機会に取り上げるとして、J-CASTニュースはスタジオジブリ発行の小冊子に掲載されたインタビューの中で、宮崎駿が「慰安婦の問題もそれぞれの民族の誇りの問題だから、きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです。領土問題は、半分に分けるか、あるいは『両方で管理しましょう』という提案をする。この問題はどんなに揉めても、国際司法裁判所に提訴しても収まるはずがありません」と発言し、反響を呼んでいると記事にしています
アニメ監督がどのような思想・信条を有しようと、それをとやかく言うつもりはないのであり、作品とはまた別の話です
ただ、政治問題として考えた場合、宮崎駿が主張する内容には首を傾げざるを得ません
「慰安婦問題で日本は謝罪・賠償すべき」 宮崎駿監督のインタビュー記事が物議
日本は日韓基本条約、及び日韓共同宣言を締結し、韓国側に賠償金も支払っています。「慰安婦に賠償をしていない」という見解は韓国政府の宣伝であって事実とは異なるのです
日本政府は個人賠償を提案したのですが、韓国政府がこれを拒否し、「賠償金は韓国政府が一括して受け取る、これをどう分配するかは国内問題である」との姿勢貫いたわけです
慰安婦を自称する人たちが韓国政府から賠償金を受け取れなかったのは韓国政府の責任であって、日本政府の責任ではありません
加えて、竹島問題に関しては「共同管理しましょう」と提案したところで韓国政府が拒絶するのは明白です。日本の領有権を頭から否定しているのですから、共同管理に応じるわけがないのです。もちろん、半分に分けるという提案も拒絶するでしょう
宮崎駿の発言はこれまでの経緯をまったく無視したものです
72歳になってこの程度の認識しか持ち合わせていない、というのも困ったものです
自分の考えにそぐわない意見、情報は遮断し、思い込みの中で生きているからこそ「共同管理」だの、「領土を半分に分ける」などという幼稚な発想で何かを解決できると信じているのかもしれません
こうした宮崎駿の発言に賛同する人たちは、鋭敏な政治意識の持ち主を気取っているのかもしれませんが、現実を認識できていないのか、お花畑思考の持ち主ではないかと思われます
72歳になっても旺盛な創作意欲を維持している姿には感銘しますが、掲げるところの思想・信条には呆れるばかりです
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