「進撃の巨人」で再び愚論を書く韓国メディア
漫画・アニメで人気を博している「進撃の巨人」について、韓国の中央日報がおかしな主張を繰り広げていると紹介したばかりなのですが、再びトンチンカンな記事を掲載していますので紹介します
中央日報の記者は「進撃の巨人」と日本の右傾化を強引に結びつけ、閉塞状況を打破したい安倍政権はだからこそ軍国主義復活を狙っている、と結論付けたいようです。それはそもそも「進撃の巨人」と何ら関係ないわけですが記事が長文ですので、後段部分のみを引用させてもらいます
【コラム】日本の漫画『進撃の巨人』シンドローム(2)
もちろん原作者がこれを意図したという証拠はない。またこの漫画は、先立って話したように、多様な含みで世界の人にアピールできる。だから軍国主義の漫画だと追い立てて排斥する必要はない。しかし日本の特定集団に極右的なインスピレーションを与える可能性もあることを念頭に置くべきではないだろうか。
そのような面で、日本特有の巨大ロボット漫画を注視する必要がある。まず巨大ロボットは普遍的にアピールするに値する。人間は天地創造の時から巨人を恐れてきたと同時に自ら巨人になりたいと思う欲望があるためだ。先端テクノロジーの時代に人間が最もかっこ良く巨人になる方法は、巨大ロボットに乗って操縦するということだろう。
日本的な巨大ロボットはハリウッドにも輸出された。今週末に韓国と北米で封切られた映画『パシフィック・リム』もそのような巨大ロボットが巨大怪物と戦う映画だ。
『トランスフォーマー』シリーズと比較されたりするが『パシフィック・リム』は人間のパイロットがロボットを操縦するという点で日本の巨大ロボット漫画にはるかに近い。
偶然にもこれらの巨大ロボットは“猟師”を意味するイェーガー(jaeger)と呼ばれる。『進撃の巨人』の主人公少年と同じ名前だ。
『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ監督はあるインタービューで「(この映画が)戦争を美化するように見えるのを避けようと」、わざわざ登場人物に軍隊式の階級名称を付けなかったといった。この話は、巨大ロボット映画が非常に軍国主義的に見える可能性があるということを傍証するものだ。それで、これまでの日本の巨大ロボット漫画談論が広がる時には軍国主義論争が出てきたりしたのだ。
もう一度言うが、『進撃の巨人』でも巨大ロボットでも作品自体をわざわざ排斥する必要はない。良い作品は韓国人も共有することができる。しかしそれがどんなふうに受け入れられるのか--最近右傾化する日本でどんな脈絡で人気を得るのか--注意深く見極めなければならない。日本の軍国主義の最大被害者であった韓国は、いつも目を見開いていなければならないのだから。
(中央SUNDAY第331号)
軍隊の階級制度が軍国主義の証だと決め付けるのも陳腐すぎます(それなら軍隊を持つすべての国が軍国主義に毒されていると断言することになります)
ましてやロボットアニメ、「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」が軍国主義を鼓舞しているなどという主張は痛々しいくらい的を外した見解です
この記者は「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」を見ても、作品に込められたテーマや主張は読み取れない頭の悪い人なのでしょう
「ガンダム」では地上に魂を繋がれた人類がそれを断ち切り、ニュータイプへと進化できるかを問うものであり、軍国主義とかそうした既存の価値観を捨てることができるか否かが、人類の進化にとって需要だと説いているわけです
巨大ロボであるガンダムが軍国主義の象徴として描かれていたりはしません
個々の作品を読み違えてしまっているからこそ、こんな珍妙な主張が飛び出してくるものと考えられます
であるからこそ、韓国はいまだに「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」を超えるアニメが作れないのだと言いたくなります
「人間は天地創造の時から巨人を恐れてきたと同時に自ら巨人になりたいと思う欲望があるためだ。先端テクノロジーの時代に人間が最もかっこ良く巨人になる方法は、巨大ロボットに乗って操縦するということだろう」と書いて何かを指摘した気分に浸っている記者には、「エヴァンゲリオン」に乗ることをためらい、迷い、苦悩する碇シンジ(14歳)を理解できたるはずがありません
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