高校野球 熱中症球児を批判する人たち
屋外での学校行事で熱中症のため倒れる児童・生徒が出ると、「最近のこどもたちは鍛え方が足りないのではないか?」と言い出す人がいます
こうした発言の背景にあるのが熱中症に対する誤解、理解不足だと思われます
高校野球の県予選で出場選手が熱中症になって途中退場するケースがあり、これを野球関係者が「体調管理が不十分だ」と発言して批判を招く事態が起きています
埼玉大会で熱中症球児に苦言、ネットで大ブーイング
熱中症は体温が上昇してしまうことで発生するさまざまな症状(意識の喪失、身体の痙攣などなど)を指します
対処を誤ると死亡する危険もあり、「熱中症ぐらいで…」と軽く考えるのは大間違いです。特に上記のような、スポーツの指導者たちが熱中症をまったく理解していない状態にはぞっとさせられます
「身体を鍛えれば熱中症に罹らない」というのは迷信のレベルであり、鍛えまくっているマラソン選手でも熱中症でレースを途中棄権するのは珍しくありません
人間の脳は熱に弱いのですから、頭や首筋を冷やし、熱を冷ます工夫をしないと意識が朦朧となったり、異常な行動に走る危険があります
また、今月の猛暑で熱中症になり病院へ運び込まれるお年寄りが増えているのですが、エアコンが自宅に設置してあるにも関わらず、「冷房は身体に悪いから使わないようにしている」と言い張る老人が大勢いるのは実に残念な現象です
「冷房が身体に悪い」と勝手な思い込み、その盲信にとらわれてしまっているがゆえに、自分の身を守れなくなっているのです
加えて上記のスポーツ指導者と同じく、熱中症を誤解している部分もあります
「水分を十分摂るようにしているから大丈夫」といった考えにもそれが現れており、熱中症を単なる脱水症状だと誤解している証拠です
水分を摂取するだけでは熱中症を防げません
いまは電子体温計という便利な道具もあるのですから、お年寄りはこまめに体温をチェックして、自覚症状がなくても体温に異常をきたしていないか確認してもらいたいものです
熱中症の予防・対策を解説したウェッブサイトは数多く存在します。大勢のこともたちを預かる教師やスポーツ指導者は、熱中症に対して十分な知識をもち、事故を防いでもらいたいところです
熱中症を予防しよう(大塚製薬のウェッブサイト)
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