同性愛排除で揺れる米ボーイスカウト連盟
ボーイスカウトに対するアメリカ人の信仰とも言える感情は、我々日本人には理解し辛いものがあります
野外活動訓練を通じてたくましさを身につけたり、チームで行動する協調性を養ったり、奉仕活動の価値と喜びを体得するなどなど、ボーイスカウトの活動で得られるものは多いのでしょう
そんな健全なボーイスカウト活動に水を差すものとして、同性愛傾向のある少年をボーイスカウトに受け入れるかどうかが、激しい議論の的になりました
ボーイスカウトの指導者たちはいわゆるマッチョ系の人が多いのか、同性愛に嫌悪感を示す傾向が強いように思えます
激論の末、同性愛少年の入会容認 米ボーイスカウト協会
記事によれば、「米ボーイスカウト協会は２３日、南部テキサス州で開いた総会で、同性愛の少年の入会を禁じる内規を撤廃することを賛成多数で決めた。同性愛者の権利拡大を支持する世論の高まりを反映、メンバーや保護者に容認論が広まった結果だが、ボーイスカウトの活動に関与する大人の指導者については同性愛者を認めない従来ルールを維持した」とあります
ただし、「ボーイスカウトの活動に関与する大人の指導者については同性愛者を認めない従来ルールを維持した」とのくだりは大いに気になります
米ボーイスカウト連盟では、大人の指導者が少年にわいせつな行為を行う不適切な事例を数多く隠蔽してきた過去があり、批判にさらされました
２０１２年には以下のように報道されています
米国で18日、ボーイスカウトアメリカ連盟（Boy Scouts of America）で数十年にわたり繰り返されていた性的虐待の事実を示すとされる資料がオンラインで公開された。
通称「性倒錯ファイル」と呼ばれる、およそ1万4500ページに及ぶ同資料の公開は、オレゴン（Oregon）州最高裁の命令に従い行われたもので、正式名は「BoyScouts Ineligible Volunteer Files（ボーイスカウト不適格ボランティアのファイル）」という。
これまで非公開だった同資料には、1965～85年の期間にボーイスカウトの指導者や大人たち1200人以上が関与したとされる子供たちへの性的虐待の詳細が、手書きメモなども含めて記されている。
被害者側の弁護団は、この膨大な資料の内容に触れるとともに、同連盟の指導者たちは長年にわたり虐待の事実を隠ぺいしてきたと主張。
さらに、ボーイスカウトを利用して未成年を狙う小児愛者を完全に排除するための連盟の対策はいまだに不十分だと非難した。
これに対し、ボーイスカウトアメリカ連盟側は「明らかに不十分、不適切、または間違った対応をした事例が一部にはあった」と認め、被害者らに謝罪した。
ボーイスカウトの指導者から同性愛者を排除している、との建前を貫いているものの、実際にはこどもに手を出す小児性愛者を指導者として抱え込んできた事実を、米ボーイスカウト連盟は隠してきたわけです
１２００人以上と記事には関われていますが、氷山の一角にすぎないと思われます。すべてのケースをボーイスカウト連盟が把握してわけではないのでしょうから
同性愛を否定し、蔑視するボーイスカウト連盟のメンバー自身が性犯罪者であるという決定的な矛盾を、彼らはどう説明するのでしょうか？
もちろん混同してならないのは、同性愛者がすなわち無差別に性犯罪を繰り返す小児性愛者だと言うわけではありません
むしろ、同性愛者を「ホモ野郎」と罵り健全な大人を演じながら、少年に手を出す小児性愛者こそが問題です
ボーイスカウト関係者はもっと危機感をもって自分たちの行状を振り返り、指導者の適性の問題について議論すべきでしょう。一部の不埒な者の行為、で片付けるのは大間違いです
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