爆笑問題が村上春樹の新作を批判
村上春樹の新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が売れており、社会現象化しようとする中で、爆笑問題が批判をかましていると報道されています
ラジオ番組の中での発言であり、きちんと文章化された評論ではありません
爆笑問題のいつものパターン、難癖をかまして話題にしようという程度のものであり、これを真正面から取り上げるのはどうか、と思ってしまいます
爆笑問題が「村上春樹」にかみ付く 「人気支えているのはファッションとして読む人たち」
読書のスタイルをあれこれ批判したところで何も得られるものはありません。流行りモノだから、話題になっているから手に取る人間が多いのは村上春樹の小説に限った現象ではなく、ごくごく一般的な風潮でしょう
それを指摘して、何かの真実を言い当てたがごとく振る舞うのは笑止千万です
中身の無い批判を繰り出すのが爆笑問題の芸風であり、彼らの発言をあれこれ分析する気にもならないわけで
もちろんそれだけで爆笑問題の発言を切り捨てるのもどうか、という気はします
ラジオでの発言内容を文章化しているようなウェッブサイトがあれば、詳しく吟味できるのですが、このブログを書こうとして検索したものの、見つけることができませんでした(ウェッブ上のどこかに存在するのを、自分が見つけられなかっただけなのでしょう)
代わりに見つけたのが「うつぼかずらの夜」というブログです
ここでは爆笑問題の太田光がなぜ村上春樹を批判するのか、私見が開陳されています。角田光代と村上春樹を対比させた上で、太田光が村上春樹に与しない理由を指摘しています
村上春樹のスタイル角田光代のスタイル
ブログ主の亜牙さんは、「太田光の表現者としての在り様は、はっきりと角田光代の側にある。最近の太田光の発言や表現をみていると表現者は語り部である必要があると考えている感があるように思えてならないのだ」と指摘しています
なかなかするどい見識を披露しているな、と感心しました
ファッションとして読む人もいれば、このように深い洞察を試みつつ読む人もいるのであり、そこが読書の面白いところです。小説の価値を決めるのは作家のネームバリューなどではなく、作品世界を読み解こうとする読み手の側の営為であり、そこでどれだけ豊かなイマジネーションや読後感が得られるかなのでしょう
日本には優れた小説の読み手が大勢いるからこそ、豊な文学世界が維持していられるのだ、と改めて感じました
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