広島小6連れ去り事件 初公判

昨年9月、東京の大学生小玉智裕(21歳)が広島で学習塾帰りの女子小学生を誘拐し、旅行かばんに監禁したところを逮捕される事件がありました
その初公判が広島地方裁判所で開かれたのですが、小玉被告は「わいせつ目的で誘拐した」との検察の冒頭陳述を否定した、と報道されています
昨年9月の事件の初公判が今になったのは、起訴前に責任能力の有無を調べる簡易鑑定を実施したためです

わいせつ目的に「それは違う」と否認 小6女児連れ去り初公判

記事では触れていないのですが、弁護側は起訴前の簡易鑑定結果が開示されていないとして、これを裁判の争点にする構えです
これだけでは断定できないものの、弁護側は小玉被告の責任能力について争い、何らかの精神的な疾患による異常行動であると主張し、減刑を獲得する戦術を採用するつもりなのでしょう
ただ、「わいせつ目的」の誘拐でなかったなら何が狙いの誘拐なのでしょうか?
女子小学生を誘拐した事実までは争うつもりがないようなので、それを説明しなければなりません
逮捕直後、小玉被告は警察官の事情聴取で「強姦目的」の誘拐だったと認める供述をしています。それは「警察官の誘導によるもの」だと否定し、無理やりそのような供述調書に署名させられたと反論するのでしょうか?
被告と弁護側がどのように犯行の目的を説明するのか、次回以降の公判が注目されます
弁護人が被告の利益のためさまざまな法廷戦術を駆使するのは当然です。が、事件の意味をねじ曲げたところで、それが被告にとって本当の利益になるのかは疑問です
小玉被告が女子小学生を誘拐し、強姦しようと計画を練っていたとするならば、それを取り繕ったり歪曲するのではなく、事件の意味と向き合い、自分の中にある異常な性的嗜好を理解し、折り合いをつけるべきです(性的な衝動に駆られるまま分別を欠く反社会的な行動をしないよう、抑制できる力を身につけるべきです)
そこのところを誤魔化し、隠蔽してしまっては本人にとって不幸な結果を招くだけです
小玉被告は勾留されている間に心境が変化し、「わいせつ目的」ではないとの自己弁護に執着するようになったのかもしれません。公判で自分の異常な性癖が暴かれるのを恐れた、と考えられます

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