大津いじめ自殺の生徒に卒業証書授与
大津市立皇子山中学校の男子生徒がいじめを苦に自殺した事件は、まだ刑事事件として決着がつかないままですが、中学校は卒業式を迎えました
学校側は卒業式後、自殺した生徒への卒業証書を遺族に手渡した、と報道されています
大津いじめ自殺の中学で卒業式 生徒遺族に証書授与
学校側とすればこれで一区切りなのでしょうが、何とも言い難い不全感が残ります。卒業証書の授与は美談でもありませんし、何も解決していないのですから
いじめ事件を隠蔽し、事実解明に取り組もうとしなかった皇子山中学校の校長は懲戒処分(減給10分の1、1カ月)を受け、今年の2月に依願退職しています
犯罪を隠蔽した責任の重大さを考えれば、随分と軽い処分です
この校長は退職するにあたって、「自分の指導不足。遺族に十分な対応ができず申し訳ない」と述べたそうですが、このいじめ事件への対応でどこをどう間違えたのか、十分な検証が行われたのかすら疑問です
公教育の現場を預かる校長という立場なのですから、退職するにあたって記者会見を行い、十分な説明責任を果たすくらいの対応があってしかるべきです
何もかも放り出して逃げ出すように退職するのが責任の取り方ではありません
さらに、自殺した生徒の担任教師は病気を理由に休職しており、こちらも取材に応じていません。まさに逃げ隠れしている状態です
大津市教育委員会は、「回復後、事実関係を確認できれば処分も検討する」としてます。呆れたことに、これだけの事件であるにも関わらず大津市教育委員会は担任教師から十分な事情聴取ができていないのでしょうか?
懲戒審査を行うには本人から直接釈明を聞く必要があるので、病気休職が終わって復職するまでは懲戒処分ができません
ちなみに教頭や学年主任らも文書訓告などの処分を受けていますが、事案の重大さから見れば軽すぎる処分です
校長だけでなく教頭らも更迭すべきでしょう
教育委員会の何とも手ぬるい対応が、より一層後味を悪くしています
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