大津市の中学生自殺 第三者委員会がいじめを認定

大津市立皇子山中学校の男子生徒がいじめを苦に自殺した事件で、大津市が設置した第三者委員会は同級生によるいじめが自殺の原因であると認定し、学校の対応の不手際も指摘した報告書をまとめました
しかし、大津市の越直美市長がこの報告書に基いてどう行動するかは不明であり、第三者委員会の報告が活かせるのかどうかも疑問です
産経新聞では大津市のケースをモデルとして活かすべきだ、と記事にしているのですが、多くの問題が残されたままです

(引用元の記事が削除されました)

何よりも大津市の事件の場合、学校長や担任教師がいじめを見て見ぬふりをし、事実を隠蔽しようとしたところに問題があります
しかし、学校長も責任を問われてはおらず、担任教師も何の処分も受けていません。加えて学校を指導する立場の大津市教育委員会ですら、皇子山中学校校長OBである教育長がいじめを否定し、「家庭に原因がある」と誤った判断を示して事態を混乱させています
大津警察署も自殺した生徒の保護者が提出しようとした被害届を拒絶しており、大いに問題なのですが、警察の対応について書くと話がややこしくなるので割愛します
いじめ事件の解明ができなければ教員、校長の処分はあり得ないわけですが、教育委員会は「いじめはなかった」の一点張りで批判をはねのけ、十分な調査もせず、教職員を処分しないよう企んでいたと指摘しなければなりません
動こうとしない教育委員会に替わって、大津市は第三者委員会を立ち上げ、いじめ事件の解明に動かざるを得なかったわけです
これが「モデル」として活かすべきケースだとは思えないのです
本来なら現場である学校や教育委員会が事実関係を把握し、警察や児童相談所に通告するのが筋であり、大津市のように学校・教育委員会がグルになって隠蔽を図るなど想定外の事態なのです
さて、越直美市長は大津市教育委員会に対して、事件の隠蔽を図った前教育長を含め、皇子山中学校の校長や担任教師の職責を問うよう指示できるのでしょうか?
これだけの重大な事案で、公務員としての倫理に反する隠蔽工作をした前教育長、校長、担任教師が何の処分も受けないとなれば、公教育への信頼を失う結果になります
越直美市長が全国最年少の若い市長であり、大津市教育委員会から「素人になにができる」となめられてっしまっているのも問題です。昨年の早い段階で教育委員会を牛耳っていた前教育長を更迭しておけば、もっと違った展開になったと思うのですが
市長として腹をくくり、政治生命を賭けて教育委員会相手に大喧嘩をしなければなりません

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