「安倍首相はルフィを見習え」と書く産経新聞
漫画やアニメを引き合いに出して社会問題や政治を語るという手法は、時として成功する場合もあります。しかし、外してしまうと「何をバカな話をしているんだ」と批判を浴び、ネタとして末永く語り継がれ揶揄される危険も伴います
産経新聞が「安倍首相は『ルフィ』を見習え!映画も大ヒット、漫画ワンピースが示す日本の進路」という記事を載せ、話題になっています
安倍首相は「ルフィ」を見習え!映画も大ヒット、漫画ワンピースが示す日本の進路
前段はマンガ「ONE PIECE」の人気のほどを説明しており、読み飛ばしていただいてかまいません。中段から、主人公であるルフィのリーダーシップを激賞し、今の日本にこそルフィのようなリーダーが必要だと強調しています
こうした論調に若者が賛同を示すかと思いきや、批判の嵐となっています
産経「安倍首相は『ルフィ』を見習え!」 ファン「ちょっと何言ってるか分からない」
批判の趣旨、論点はさまざまであり、一括りにはできません
マンガの設定と現実世界を混同して語れば、「イタい奴」だと思われるのは当然でしょうし、ルフィをヒーローとして(マンガの世界の中で)尊敬するゆえに政治家の模範に例えられるのが我慢できないとの考え方もあるのでしょう
自分としては「リーダーシップ」なるものに過剰な期待を抱きすぎているのではないか、という気がします
政治家を「指導者」と表現するメディアもありますが、これも同様の思い違いがあると感じます
政治家は決して国民の指導者などではありませんし、「リーダーシップ」が備わっているわけではないのです
鳩山由紀夫や菅直人にリーダーシップがあったのでしょうか?
そんなものを期待して民主党に票を投じる有権者が未熟なのであり、幻想に縛られていると言わざるを得ません
自己啓発本では「リーダーシップ論」が花盛りです。しかし、リーダーシップなどというものはどこにも存在しない幽霊と同じであり、好き勝手にありもしないリーダーシップについて語っているだけだ、と自分は感じます
政治家としての器量、企業経営者としての器量があるだけで、それを人が好き勝手に解釈を加え、カリスマ経営者に仕立てているのでしょう
ルフィの物語は週刊少年ジャンプに連載されて15年になりますが、それはマンガだから可能なわけです。日本の首相が15年もその座に留まり続けるなど、あり得ません
2年、3年首相を勤めれば、「もうそろそろ首相の座を譲った方がよいのではないか」との空気が日本の社会にみなぎり始めるわけで
仮に安倍首相がルフィばりのリーダーシップを発揮したにせよ、2年もすれば「そろそろ交替の時期ではないか?」とメディアは書くはずです
メディア自身が政治家のリーダーシップなど信じていないのですから
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