桜宮高校 生徒の言い分を考える

大阪市立桜宮高校の体育系学科入試の中止を巡って、3年生の男女性と7名が抗議を表明する記者会見を行ったと報じられています
大阪市役所の記者クラブで会見を行ったとありますので、記者クラブの所属する報道機関がお膳立てをしたのでしょう
生徒の声を報道で伝えたいとの狙いと思われますが、同時に橋下市政批判の材料にしようとの思惑も見て取れます。橋下徹市長が生徒の声をないがしろにして、強権的な行政をゴリ押ししているのだとアピールする狙いです
ですが、ここで開陳されている生徒の声は、果たして考慮に値するものかは疑問です

体育科入試中止で生徒が異例の会見 橋下市長は・・・



「誰が仕組んだのかしら?」尾木ママのブログに女子生徒が反論

上記の記事で女子生徒は、「先生をかばうために会見したわけではない。自分たちが学校を大切に思っていることや、学校の良い部分も知ってほしかっただけ。私たち子どもは、何を言ってもだめなのかと失望した」とコメントしています
が、これは学校で起こった体罰問題を、まるで自分たち生徒が批判されているかのように受け止め、学校批判は即ち自分たちへの攻撃だと混同してしまった末の反応でしょう
会見した生徒は皆、運動部のキャプテンを務めていた人物だと言いますから、運動部の存在=自分自身というほど密着した思考の持ち主であり、事態を客観的に見ることができないと推測されます
当ブログで繰り返し指摘してきたように、体罰問題解決のための改善策を何も講じていない桜宮高校が、入学試験を実施して新入生を受け入れられるような環境にないのは明らかであり、体育系学科のみならず普通科の入学試験も中止してしかるべき状況です(さすがにそこまでやると影響が大きいため、普通科の入学試験は実施されますが)
しかし、在校生はそれがまったく理解できず、理解しようともしていないのが上記の会見から伝わってきます
会見で生徒は、「桜宮高校の今までの伝統は間違っていない」と強調しています
この場合の伝統とは体罰も含めて、でしょう
「自分たち生徒のやってきたことは間違っていない」との主張であり、体罰を容認してきたことも含め、肯定しようとの気持ちが現れるばかりであり、体罰問題解決については何の提言もありません
この生徒の声に、「耳を傾けるべきだ」とか、「生徒は被害者。生徒の意見を尊重すべきだ」とコメントする人たちの考えは理解できません
体罰問題解決の具体策がまとまるまで部活動の無期限停止を行い、その間、生徒たちも自分たちの問題としてじっくり考えるべきでしょう

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