富山県警警部補の殺人事件 別の窃盗事件も発覚

2010年4月に富山市の夫婦を殺害し放火した容疑で逮捕された警部補加野猛容疑者については、当初、「温厚な人物」であり「本部長表彰を何度も受けている真面目な警察官」といった評判が報道されていました
もちろんそうした側面はあるのでしょうが、それだけが加野容疑者のすべてではありません
長く地域課に所属して、駐在所や交番勤務を経験してきたようですが、ここ最近は留置場の係に回されていました。当ブログでは何度か言及していますが、警察の留置場係というのは陽の当たらない職場であり、ヘマをやった警官や病気などの理由で現場に回せない警官を充てる職場です
警部補という階級にありながら留置場の係を長く務めていたとすれば、その勤務態度や素行に問題があったから、と推察されます
毎日新聞の記事によれば、加野容疑者は2008年に海外旅行に出かけて留守にしている親戚宅へ忍び込み、現金や貴金属を盗んだ疑いが浮上しているのだそうです。2008年3月に加野容疑者は警部補に昇進していますので、その直後に窃盗事件を起こしていたことになります

富山夫婦殺害:08年、親戚宅で窃盗か「借金返すため」

現場から加野容疑者の懐中電灯が見つかっているにもかかわらず、警察が加野容疑者を逮捕しなかったのは重大な捜査ミスでしょう
借金を返済するためだと記事には書かれていますが、なぜ借金を抱えるようになったのか、その原因は伏せられたままです(遊興費に充てるため、と書いている記事はありますが)
富山県警では年に2回、身上報告を義務付けており、借金や病気、悩みなどを報告した上で上司が面接する仕組みになっています
しかし、加野容疑者は住宅ローンのみを報告し、200万円を超える借金については報告していなかったのだそうです
日頃から身内に甘いと言われる警察ですが、本件はまさにその典型的な例だと言えます。2008年の窃盗事件で加野容疑者を逮捕していれば、2010年の殺人・放火事件は防げた可能性があるのですから

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