中央道トンネル事故 コンクリ製天井板落下

中央自動車道の笹子トンネル内で、吊り下げていたコンクリート製の天井板が落下して走行中の自動車を巻き込む事故が発生し、9人が死亡する大惨事になっています
そもそも重量が1トンを超えるコンクリート製の天井板をトンネル内に吊り下げる構造が妥当なものであったのか、大いに疑問です
時速100キロ近いスピードで走っている車の上に、1トンものコンクリート板が落下すればどのような事態になるのか、専門家と言われる人たちは想像もしなかったのでしょうか?
アンカーボルトで固定するので安全性に問題はないと判断し、施工したと思われますが、高速道路を管理する側はアンカーボルトの点検はこれまで1度も実施していなかったと表明しているのですから、呆れるばかりです
素人目に見ても危険と感じるこうした構造を専門家たちはまったく危惧せず、点検もしてこなかったのはなぜか、と問わなければなりません


山梨県の中央自動車道笹子(ささご)トンネル天井板崩落事故で、県警は4日午前、業務上過失致死傷容疑で中日本高速道路(名古屋市)の八王子支社などの家宅捜索を始めた。走行中の車が3台が下敷きになって9人が死亡するなどした事故の本格的な刑事責任追及に乗り出した。
これまでに、トンネル最上部の天井と天井板をつなぐつり金具を固定するボルトが脱落していたことが明らかになっており、県警は点検状況など安全管理態勢について捜査する。
事故は2日朝、笹子トンネル上り線でコンクリート製の天井板が約130メートルにわたって落下し、車3台が下敷きになって9人が死亡。多くの車がトンネルに取り残されたほか、2人が負傷して病院に搬送されるなどした。
トンネルは開通した昭和52年以降、天井部分の大規模な改修工事をしていなかった。
(産経新聞の記事から引用)


全国の高速道路のトンネルには、同じ構造で天井板を吊り下げている箇所が多く存在しており、緊急に点検を実施すべきであるのは言うまでもありません
鉄製のアンカーボルトといえども、施工から時間が経過すれば腐食してもろくなるわけで、そんな事態を道路の管理に関わっている技術者たちがまったく考えていなかったとすれば異常な事態です
福島原子力発電所を例に挙げるまでもなく、専門家の言う「安全性」を盲信するのがいかに危険であるか、今回の事故を見て感じます


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