「乱射事件対策はゲームを規制し、銃販売を増やせ」 全米ライフル協会
アメリカ東部コネティカット州のサンデーフック小学校で銃の乱射事件があり、幼いこどもたちが犠牲になりました
この痛ましい事件を受け、銃器への信仰が根強いアメリカでも「銃を規制すべき」との意見が出ています
しかし、あらゆる銃への規制に反対する全米ライフル協会は真逆の対応を示し、物議をかもしているのだそうです
「さらに銃を増やし、ゲームを規制せよ」銃乱射事件でNRAが主張
おそろしく保守的で頭の固い人たちが集まって、全米ライフル協会は組織されているのでしょうか?
日本でも未成年者の暴力事件が起こるたびに、マンガやアニメの暴力的な描写が原因だと指摘されたり、TVゲームが温床であるかのように報道されたりしてきました。一部の有識者の指摘が、あたかも絶対的な真実であるかのように
さまざまな武器を使ってゾンビを倒す、といったゲームが人気を集めていたりするのですが、だからといってそれが今回のような銃乱射事件の原因であったと断定するのはあまりに一方的な見方でしょう
ワイアードニュースの本文にもある、ゲーム愛好者が現実世界の中で銃を乱射し無差別大量殺人を行う可能性は極めて低い、との指摘をよくよく吟味すべきだと自分は思います
上記の記事を見る限り、全米ライフル協会は20年も前の格闘ゲームの名前を挙げたり(銃が登場しない)、誰も知らないアマチュアの制作したマイナーなゲームの名を出して、犯罪の温床だと批判しています
そしてアメリカのすべての学校に銃で武装した警察官を配置するべきだ、と「解決策」を提案した気でいるのですから、呆れてしまいます
「銃を手にした悪漢には銃で武装した市民が立ち向かう」とする全米ライフル協会の理念からすれば、こうした結論に行き着くのは当然なのでしょうが
アメリカの各州政府が、「州内すべての学校に武装した警察官を配置するのは困難だ」と言うなら、全米ライフル協会は銃で武装した協会メンバーをボランティアとして派遣するつもりなのかもしれません
その結果、さまざまな拳銃やライフルを自慢気に誇示するボランティアが学校の警備に乗り出す、という可能性もあります
ライフル協会はそれで満足なのでしょうが、本当に犯罪対策として有効なのかは大いに疑問です
コロンバイン高校の乱射事件では、高校生がフリーマーケットで簡単に銃を購入していた事実が露呈し問題になりました
すでに大量の銃が出回っているアメリカ社会では、銃を販売している店を規制しても、それ以外のところで簡単に銃を購入できてしまうのであり、歯止めができない状態です
ライフル協会が提案するような精神障害者のデータベースを作製しても、精神障害者がフリーマーケットで銃や弾薬を購入する可能性は消せないのであり、対策としての効果には疑問があります
今回の事件をきっかけに、アメリカ社会の中で銃の規制についてどこまで突っ込んだ議論ができるのか、注目していきたいと思います
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