北朝鮮ミサイル発射中断 騒ぎを起こし利を求める

北朝鮮が予告していた長距離弾道ミサイルの発射を中断した、と報道されていますが、その理由・背景についてはさまざまな説が飛び交っています
1つは中国政府の高官が平壌を訪問し、北朝鮮政府と交渉した結果とされる報道です。北朝鮮が弾道ミサイル発射を餌に、中国から経済援助を引き出そうとするのはいつもの手口です
ミサイル発射を本気で実行しようとしたのか、最初から食糧援助など引き出す狙いで発射するふりをしたのか、北朝鮮政府の考えは判然としません
しかし、前回の弾道ミサイル発射の失敗により、数百億円もの資金が無駄になった言われます。今の北朝鮮に再び数百億円を投じてミサイル発射に踏み切るだけの余裕があるとは思えず、最初から中国に援助を強請る狙いがあったとの見方は十分納得できるものでしょう
弾道ミサイルのガワだけを発射台に据えつければ、衛星写真を見た米国らが騒ぎ立て、「中国は北朝鮮を説得し、ミサイル発射を断念させるべきだ」との意見が出るのは予想できます
面子を重んじる中国は北朝鮮を説得し、恫喝し、ミサイル発射を止めさせなければなりません。最終的には食料や石油の提供を条件にミサイル発射を断念させざるを得ないのです
一方、時事通信社は韓国メディアの報道として、弾道ミサイルに何らかのトラブルが発生して発射が困難になり中断した、との見方を紹介しています

10日から予告期間=技術的トラブル発生か―北朝鮮ミサイル

金正恩が本気でミサイル発射を命じたものの、現場で深刻なトラブルが発生し中断に至ったとの見方です
これも十分にありえる話です。射程距離を伸ばしたと見られる今回の長距離弾道ミサイルは今年の春に失敗しており、短期間で大幅な改良が加えられたとは考えにくいからです
ただ、韓国の政府関係者がミサイルやロケットについて該博な知識を持つとは考えられず、技術的なトラブルというのもどこまで根拠となる情報があっての推測なのか、疑問です
韓国はすでに羅老号と名づけたロケットの打ち上げに2度失敗し、今年の11月には3回目の打ち上げに挑もうとして機体のトラブルが生じ、結局断念する羽目になっています
その度ごとの報道を見るにつけ、韓国政府や韓国メディアがロケットやミサイルについて基本的な知識を欠いているのは顕著であり、とても北朝鮮のミサイルについて論評するだけの情報や技術的な知識を有しているとは考えにくいのです
ともあれ、今回の中断が打ち上げそのものの見送りとなると決まったわけではなく、北朝鮮が弾道ミサイル開発を諦めてはいないのは確かです
再び弾道ミサイル発射を試みようとするのは明らかであり、警戒すべきなのは言うまでもありません

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