日本人観光客 万里の長城ツアーで死亡

日本の旅行会社が企画した、「世界遺産・万里の長城グレートウォール・100キロトレッキング」ツアーに参加した人たちが大雪に見舞われ、3人が死亡する惨事がありました
この旅行会社は過去にも、北海道・大雪山系トムラウシ山(2141メートル)の山岳ツアーで登山ガイドを含め8人が死亡する事故を起こしています


2012年11月3日、中国河北省張家口市懐来県にある万里の長城で日本人観光客ら5人が大雪のため遭難、うち3人が死亡した。
企画した旅行代理店「アミューズトラベル」(東京都千代田区)によると、今回のツアーは「世界遺産・万里の長城グレートウォール・100キロトレッキング」で、期間は10月28日~11月5日。万里の長城を歩くもので、初めての企画だった。遭難が起こった3日は、14キロを約5時間かけて歩く予定だった。懐来県政府のサイトによると、一行計6人は同日午前、北京方面から明代の長城を目指して山歩きを開始。同県瑞雲観郷の横嶺山まで来て暴風雪に巻き込まれ、行く手を阻まれたという。添乗員として行動を共にした中国人の明平銘さん(25)は、取材に対し、「急に天気が大雪に変わり、動けなくなった。寒さで意識がなくなった」と述べた。
同社は、2009年7月に北海道・大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)で8人が遭難、死亡した登山のツアーを主催し、観光庁から業務停止を命じられた。今回のツアー前に社員が現地の下見をしていなかったことなどもその後明らかになり、観光庁は12月19日、安全管理に問題があったなどとして、「アミューズトラベル」(東京都千代田区)を旅行業登録取り消し処分にした。
(時事通信の記事から引用)


「(大雪山系の)事故後、安全対策や危機管理などの研修は行っていた。天気予報もチェックしていた。参加者には過去の山行経験なども聞いており、みな体力に問題はないと判断していた」と釈明していますが、本当に安全対策や危機管理が十分だったのか、疑問です
車で入れないようなコースを歩くのであれば、負傷者や急病人が出たとき、どう対処するつもりだったのでしょうか?
中国の警察当局と事前に打ち合わせをし、救助のためのヘリコプターを出してもらうよう話を付けていたとは思えません。そもそも悪天候ならヘリコプターは飛ばせないわけで
今回の事故がまさにそのような状況でした。大雪で救助活動もままならなかったのですから
これで「安全対策や危機管理も十分だった」などと言うのは不可解です
「想定外の大雪だった」との釈明も別の報道にはありましたが、「悪天候」を想定するのが危機管理です
北海道の夏山で8人が凍死するという事故に遭遇しておきながら、この旅行会社は何も学んでいないように映ります
亡くなられた方を責めるのは忍びないのですが、ツアーに参加する前にこの会社の安全対策や危機管理がどうなっているのか、調べた人がどれだけいるのかと思ってしまいます。上記のような、夏山での大量遭難死という事故を起こした旅行会社だと知った上で参加したのでしょうか?
「ガイドがついているから大丈夫」とか、「すべて旅行会社がやってくれるから」などと、物見遊山気分で参加したのであれば、あまりにお気楽すぎます
日中関係が悪化し、上海で日本人観光客が暴行を受ける事件も報道されている中で、わざわざ中国へ行こうとするのは無謀な判断だと自分には思えます

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