史上もっとも大コケした映画「ファイナルファンタジー」

ゲームソフト会社スクウェア・エニックスが中間決算を発表し、53億円の赤字に陥ったと報道されています。その中で映画「ファイナルファンタジー」について言及されていますので、取り上げてみます

元スクウェア社長が「エニックスとの合併は完全に失敗」と衝撃的な発言

157億円もの巨額な制作費を投じて作られたフルCGの劇場版アニメーションですが、世界に先駆けて公開されたアメリカでは不評であり、わずか数日で興行が打ち切られるほど客の入りが悪かったと言われます
そして日本でも公開されたもののやはりヒットには至らず、映画を制作したスクウェアは130億円もの損失を計上する事態になりました
この映画のどこが問題だったのか、日本のアニメーションについて深い造詣を示す「アリゾナの老人」が端的に批評しています

【ファイナルファンタジー】アリゾナの老人、心に穴が空く(字幕版)



いつもながら思うのですが、これだけ整然と作品について語るためには入念な準備と広範な知識が必要とされます。カメラの前でよどみなく語っているよう見せるためにも、何度も撮り直したのでしょう
その情熱には恐れ入ります。日本から紫綬褒章を差し上げたいくらいです
さて、作品の評価に話を戻します
地球外生命と闘って地球を守る、というSF物にありがちな設定なのにエンターティメントとしては失敗したのは、無駄に説明的な場面が多く視聴者が楽しめない作りになっているためでしょう。さらに登場人物たちも真面目ですが面白味に欠け、魅力がありません
敵キャラも無色透明で目に見えない、という設定ではキャラが立たないので盛り上がりに欠けます。もっと破天荒で強烈なキャラクターをもった宇宙人が敵であったら、違った反応を得られたでしょう
制作費の大部分はフルCGの動画に費やされたと思われますが、キャラクター設定や脚本といった部分をもっと練り込んでおけば(お金をかければ)、ここまで大コケはしなかったのかもしれません(まあ、観客の反応は予測不能であり、読めないわけですが)

(関連記事)
「きまぐれオレンジ・ロード」を熱く語るアリゾナの老人
インドアニメ「アルジュンの大冒険」日本で放映
井筒監督「漫画を安易に映画化しすぎる」と批判
中国メディアの陳腐な論評「日本アニメ、人気の秘密は民族文化」
中国のショートアニメ「バットマン 上海」
ガンダムのパクリアニメ 韓国の「フェニックスキング」
「韓国で日本のアニソンが人気」と書く産経新聞
中国では作れない春秋戦国時代アニメ「キングダム」
中国掲示板 「日本のアニメ復讐譚がないからつまらない」
「ドラえもん亡国論」という暴論
ディズニーと宮崎アニメ ヒロインから見た文化論
中国メディア 「キャプテン翼」から見る日本のスポーツ文化
手塚治虫「ブラック・ジャック」をアメリカで実写ドラマ化
大コケ ピクサーアニメ「メリダとおそろしの森」
大友克洋監督「火要鎮」が米アカデミー賞候補ノミネート
劇場版アニメ「モンスター・ホテル」がコケる
松本人志「R100」が大コケ
大コケした統一教会制作の朝鮮戦争映画「仁川(インチョン)」


DAWN―天野喜孝空想画集 ファイナルファンタジーの世界
NTT出版
天野 喜孝

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by DAWN―天野喜孝空想画集 ファイナルファンタジーの世界 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのトラックバック