中国メディア「中国のアニメ・マンガ産業の市場規模は1億2千万円」

中国メディアの記事をチェックしていると、ときどきびっくりするような間違いを発見します。中国語の元記事を日本語に訳す際の間違いであろうと思われますので、鬼の首を獲ったがごとく指摘し、揶揄するのはどうかとも思うのですが、紹介します
新華通信社の配信記事で、「中国のアニメ・マンガ産業は2015年末には、2010年末の約2倍に当たる1千億元(約1億2500万円)規模に達する見込み」だと書かれたものです。面子を重んじる中国のメディアにしては稚拙な間違いです

急成長する中国アニメ産業、15年末には1千億元規模に

もちろん1億2500万円は貨幣換算の間違いであり、1人民元を12円50銭で計算すれば1000億元は1兆2500億円になります
記事は今年8月に配信されたものですが、いまだに訂正はされていません
記事の趣旨からすれば、「どーだ、中国のアニメ・マンガ産業の成長は。日本よ、驚け」というものなのでしょうが
これまでにも指摘したところですが、それだけ成長している中国のアニメ・マンガ産業なので、記事の中に登場する作品は「喜羊羊与灰太郎」だけという惨状です。他に自慢できるようなヒット作がないのでしょう
記事の後段は減税措置によってさらにアニメ・マンガ産業の成長を促進させる、という内容です。しかし、本当に成長させたいのであればヒット作を生み出すのが優先課題であり、市場拡大の決め手です。減税措置を講じたから良作が生まれるというものではありません
さて、中国メディアも積極的に紹介しようとしない中国のアニメ作品ですが、話題として幾つか動画を選びました
中国ならではというか、パンダを主役したアニメ作品です

金牌熊猫



魔豆傳奇


どちらもパンダというキャラ以外、特に見るべきものがない凡庸なアニメに映ります
こんな退屈な作品を量産して1兆円を超える市場を形成しているのですから、その事実の方が驚きです

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