内閣改造で田中真紀子を文部科学大臣に起用
野田首相が内閣改造で田中真紀子元外務大臣を入閣させる意向だと報道されています。最後の悪あがきなのか、政権の命取りになる愚挙と言えます
民主党の田中真紀子衆院議員が1日の内閣改造で文部科学相に起用される。自民党時代に小泉内閣の外相として混乱を巻き起こしてから10年。高い注目度と危うさを持つ田中氏の起用は、野田政権にとって両刃の剣になりかねない。
田中氏は9月30日に中国から戻る予定だったが、台風の影響で1日昼に帰国する。科学技術庁長官を務めたこともあり、文科相はなじみのあるポスト。民主党への逆風で「自分も次の選挙は危ない」と周囲に漏らし、この夏は議員歴19年で初めて地元の盆踊りを回った。復活をアピールしようと望んだ入閣だ。
ただ、首相周辺から「複雑だ」と不安も広がる。2001年、外相に就任早々「外務省は伏魔殿」と表現。外交機密費詐取事件で歴代4事務次官を更迭し省改革を徹底したが、人事、政策でことごとく官僚と対立。国会では自身に批判的な議員の質問の制限を求め与野党から「三権分立の侵害」と批判され、当時官房副長官だった安倍晋三自民党総裁が謝罪に追われた。
結局、当時の小泉純一郎首相が9カ月で更迭。田中氏を支持する世論の反発で内閣支持率は72%から49%へ急落した。
安倍総裁は教育制度改革にこだわりが強く、文科相として自民党から質問攻めにあいそうだ。田中氏は文科省に対しては、東日本大震災後の放射能に関する情報公開の遅れを批判しており、官僚との新たな火種が早くもくすぶる。
(朝日新聞の記事から引用)
田中真紀子の数々の失態はさまざまに報じられてきました。この他にも外務大臣就任直後、来日したブッシュ政権の外交政策担当の実務者であるアーミテージ国務省副長官との怪談をキャンセルし、物議をかもした事件がありました
田中真紀子は当時、「大臣に就任したばかりなので外交政策を勉強するため、国立国会図書館にいた」と釈明していたのですが、これが嘘だとすぐにバレてしまい、実は「大臣就任祝いに届けられたコチョウランの礼状を書くのに忙しかった」と報道されました
アーミテージが国務省副長官という肩書きであるのを聞き、それなら大臣である自分が会談する必要はなく、外務省の事務次官や北米局長が会えばよいのだと判断したからなのでしょう
実際にはブッシュ政権の外交政策を仕切っている重要人物なのに、肩書きでしか相手を見ようとしない田中真紀子の悪癖が招いた大失態でした
さらには平気で嘘の言い逃れをする癖もバレてしまい、なおかつ自分の失態を外務省官僚のせいにして叱り飛ばす醜態も晒したのです
それ以降、外務省官僚と毎日のように衝突を繰り返し、外交どころではない状態に陥ったのはご承知のとおりです
「官僚支配の打破」のつもりだったのかどうかは分かりませんが、外務省の庁舎内で指輪を紛失した田中真紀子が、「外務省の職員(大臣担当の秘書官)が盗んだに違いない」と大騒ぎし、替りの指輪を買いに行かせた間、イラン政府からの特使を待たせたまま放置するといったドタバタ劇をやらかしたりもしています
このような人物に大臣が務まるとはとても思えないのであり、わざわざ入閣させる狙いがどこにあるのか分かりません
就任早々、田中真紀子は失言を繰り返しメディアから標的にされるのでしょう
野田政権にとって地雷を踏むに等しい人事です
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