テディベアの投下が外交問題に発展 ベラルーシ
スウェーデンの人権活動家が小型機でベラルーシ上空に入り込み、人権の尊重や言論の自由を訴えるメセージをつけたテディベア８００個を投下する、という事件がありました
ベラルーシは旧ソ連から独立した国家ですが、独裁的な政治体制が続き、国民の人権は無視された状態です
この事件に怒ったベラルーシ政府はスウェーデンを非難し、外交官を追放する措置に踏み切っています
スウェーデンの人権活動家が無許可でベラルーシ領空を飛行し、テディベア数百個を投下して言論の自由や人権を訴える抗議行動を行ったことをきっかけに、スウェーデンとベラルーシの関係が急速に悪化している。
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ（Alexander Lukashenko）大統領は国境警備責任者と空軍司令官を解任。3日には両国関係の「破壊」を試みたとして、スウェーデンのステファン・エリクソン（Stefan Eriksson）大使を国外追放した。
これに対しスウェーデン政府は報復措置として、ベラルーシが先きごろ離任した同国大使の後任に指名した新大使の受け入れを拒否するとともに、ベラルーシ人外交官2人の在住許可を取り消し国外退去を求めた。
ベラルーシ側はさらに8日、スウェーデン外交官全員に8月30日までの国外退去を通告し、スウェーデンとの交渉窓口を閉じると発表した。マイクロブログのツイッター（Twitter）で外交官の退去通告について明らかにしたスウェーデンのカール・ビルト（Carl Bildt）外相は、ルカシェンコ大統領の「人権に対する恐れはエスカレートしている」と述べている。
ベルギー・ブリュッセル（Brussels）の欧州連合（EU）筋によると、事態の悪化を受けてEUは10日、EU大使らによる緊急会合を開き打開策を協議するという。
事の発端とされるのは、前月初めにスウェーデンの活動家が同国の広告会社と組み、軽飛行機でベラルーシ領空に侵入、数百個のテディベアを投下したことだ。小さなパラシュートを背負ったテディベアには、言論の自由や人権の改善を訴えるビラが付けられていた。
スウェーデンのカール・ビルト（Carl Bildt）外相は、2008年から駐ベラルーシ大使を務めてきたエリクソン氏の追放について前週、このテディベア投下事件との関連を示唆。エリクソン氏が人権を重視している点や、ベラルーシ野党議員らと面会したことが原因との見方を示している。
ルカシェンコ大統領は2010年の大統領選で4選を果たしたが、不正選挙だとして国内外から非難や抗議が相次いだ。以降、スウェーデン政府は民主主義、人権、平等に重点を置いた対ベラルーシ政策を取っている。
（AFPの記事から引用）
テディベアにブチ切れるベラルーシのルカシェンコ大統領とは、独裁者にありがちな器量の小さい愚か者なのでしょう
大統領の椅子を失えば数々の不正によって私腹を肥やしてきた事実が露見するため、不正な選挙をやってでも権力の座にしがみつこうとする卑劣漢です
大統領選挙では野党の候補者を次々と逮捕するという暴挙も行なっています
こうした独裁者とテディベアの組み合わせがいかにも好対照であり、ニュースとして各メディアに取り上げられる理由でしょう
一方、スウェーデン政府の対応は毅然としており、見習いたいものです
独裁者に媚びたりせず、堂々と批判する姿勢には敬服します
８００個のテディベアが独裁者を追い詰めているのかどうかは分かりませんが、そうなれば快挙でしょう
日本も負けじと、キティちゃんを数千個上空からばら撒いてルカシェンコ大統領批判をやるくらいの気迫を示してもらいたいところですが、現在の野田政権にそんな外交は期待できません
日本の外務省は、ベラルーシにおける野党の大統領候補の逮捕・有罪判決についで重大な懸念を表明する談話を出していますが、それ以上の具体的な行動はないようです
サンニコフ・ベラルーシ野党大統領候補に対する有罪判決について
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