56キロ走って夜学へ通った「辞書の鬼」の評伝

井上太郎著「辞書の鬼 明治人・入江祝衛」(春秋社刊)を紹介する記事が興味深かったので紹介します
独力で英語辞書の編纂という大事業に取り組んだ入江祝衛を取り上げた評伝で、その生き様はいかにも明治人と感服させられるエピソードに溢れています

「辞書の鬼」英語辞典編纂者 往復56km走って学校に通学

「ホンモノの英語の発音を知りたいばかりに、埼玉の小学校の授業のかたわら、銀座の英語夜学校まで往復56キロを走って通った」というエピソードにも驚かされますが、明治から昭和初期に活躍した学者、政治家、経済人などの評伝にはこの種の話は決して珍しくありません
「毎朝三時に起き、昼食は全廃し、夏の長い日といえども、数分間の休息もなさず、一生懸命に従事しましたが、いかにも手数が掛かって中々進行いたしません」と口にしながらも、日々進捗していたのは間違いないのでしょう
人間の持つ情熱、その行動を支えるエネルギーには圧倒されます
英語の辞書を独力で編纂しようとする気が遠くなるような事業も、この情熱があってこそ成し遂げられたのでしょう
今月は仕事の忙しさと疲労を口実にブログの更新をさぼってばかりいる自分にとって、耳の痛い話です
この評伝は未読なのですが、さっそく書店に注文したところです
読後の感想はいずれブログに書くつもりでいます
明治の人たちの情熱、向学心を少しでも自分のものにし、怠慢な生活に走りがちな己を戒め、残りの人生で何事かを成し遂げたいものです

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