ディズニーと宮崎アニメ ヒロインから見た文化論

ワイアードニュースが、ディズニーのアニメ作品のヒロインとスタジオジブリのアニメ作品のヒロインを比較し、考察する記事を掲載しています
万人向けであるディズニーのアニメについて、なかなか辛辣な指摘を展開しています

ディズニーと宮崎アニメ ヒロインから見た文化論

記事の中ではディズニーのアニメに特有のヒロイン像として語られていますが、これはアメリカ映画が提供する典型的なヒロイン像を解釈して構わないでしょう
つまり、ジョン・ウェインのようなタフガイに助けられる女性、というイメージです
映画の中でヒロインはさまざまな事件、トラブルに巻き込まれるのですが、彼女たちは決して自ら手でそれを解決したりはしません
颯爽と出現したヒーローの手によって彼女たちは救われ、恋に落ちるわけです
ディズニーのアニメもその範疇にとどまるわけで、世の親たちは男性の手によって救われるヒロインの物語を、「安心してこどもに見せられるもの」と判断しているのです
記事ではそんな「いつか白馬の王子様が目の前に現れて・・・」というドラマを批判し、その対極に位置するものとしてスタジオジブリのアニメに登場するヒロインを取り上げています
ただ王子様の出現を待っているのではなく、「運命に甘んじようとせず、自らの手で人生を切り拓こうとする」ヒロインたちです
指摘そのものは特に目新しい内容ではありませんが、ディズニーのアニメ(そしてアメリカの映画)が作り出すヒロイン像に異議を唱える記事が珍しく感じられたので取り上げました
映画やアニメーションを取り上げた報道も、その大部分は宣伝のための提灯記事であり、作品を持ち上げ「これは是非とも映画館へ行って見るべきだ」とする内容がほとんどです
大手メディアとは志向が異なる、ギーク向けの記事中心のワイアードニュースならではなのでしょう
これだけでは当ブログで取り上げた甲斐がないと思いますので、インターネットで読める、「宮崎駿の描くヒロイン」論を幾つか紹介しておきます(作品論も含みます)

「宮崎駿 ヒロイン論」

ナウシカあるいは旅するユートピア 

「耳をすませば」試論

物語作家としての宮崎駿論

まだまだ山ほどありますが、このくらいにしておきます
アニメーションは「見る楽しみ」もありますが、「語る楽しみ」もあります
こうしたアニメーションを語った「私論」がインターネットの中で数多くあり、埋もれさせておくのは実にもったいない気がします
アンソロジーとして編集したり、リンク集をつくってくださる方がおられれば助かるのですが

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