なぜガンダムは海外で人気がないのか
ビジネス関連の話題を提供するウェッブサイト、「Business Media誠」が日本では高い人気を誇る「ガンダム」が海外では人気のない理由について記事を書いています
なぜガンダムは海外で人気がないのか
前半はバンダイのキャラクターグッズの売上に関する話であり、データから説明しようと試みているのでしょう
後半も産業ロボットの普及の話など、ガンダムとは直接関係ありません
結局4ページ分の記事を読んでも、欧米人はロボットをフランケンシュタインのような不気味な存在として忌避しているから、日本のようなロボットアニメが受けいられる素地はない、というあまりに短絡的な結論で終わっています
ここから筆者は「米国でガンダムよりトランスフォーマーが売れるワケ」と話題を転換します
米国でガンダムよりトランスフォーマーが売れるワケ
長々と書いていますが、その中で筆者が主張しているのは、「つまり、米国サイドがクリエイティブをコントロールしていたわけだが、その過程でフランケンシュタイン・コンプレックスを解消するための手法が注入されたのだろう。ある意味、キリスト教圏に向けたローカライズとも言えるが、『超ロボット生命体』として『機械の身体を持った人間』というニュアンスを付加することでロボットアレルギーを徐々に取り払っていったものと思われる」という部分で、ここが結論のようです
「トランスフォーマー」がビジネスとして成功したのは事実ですが、だからとってその成功例がすべて(ストーリー、キャラクター、その他の世界観など)を肯定するかのような論旨の展開にははなはだ違和感をおぼえます
「機械の身体を持った人間」であるトランスフォーマーに登場するロボットの活躍は確かにこどもたちを惹きつけ、わくわくさせるものがあるにしても、物語の奥行きや世界観の深さは「ガンダム」に及ばないからです
「エヴァンゲリオン」に至っては、その世界観はカオス(混沌)と言うしかありません
この世界観に共感できる人間が決して多くないのは無理からぬところであり、広く十代のこどもたちの支持を得るのは難しいと言えます
ですが、「エヴァンゲリオン」がクリスチャンに受け入れられないとの筆者の指摘はあまりに表面的であり浅はかな認識でしょう
「エヴァンゲリオン」は単なる巨大ロボットではなく、少年少女たちの自我の延長であり、思春期にありがちな万能感と無力感の間で苦悩する姿を描いた作品です
これを従来のロボットアニメという枠組みで語るのは大きな間違いです
また筆者は、「ガンダム」シリーズの「リアル・ロボット路線」について触れようとしません。「ガンダム」は徹頭徹尾兵器として描かれていおり、「機械の身体を持った人間」という「トランスフォーマー」とは対局に位置します
つまり「ガンダム」の物語はあくまでもそれに搭乗する人間の物語であり、「ガンダム」は兵器という位置づけにとどまります。こうした作品の特徴を無視して、ロボットアニメと一括りにするような話の進め方は乱暴すぎでしょう
結局、海外で「ガンダム」がなぜ人気がないのか解明できないまま、「トランスフォーマー」は成功しているからその成功例に習うべきだと結論付けているだけです
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