韓国衛星「アリラン3号」成功後の韓国の反応
日経ビジネスが先ごろ成功した韓国の人工衛星「アリラン3号」と、その後の韓国の動向について記事を掲載しています
が、ほぼ韓国メディアの報道を受け売りした内容であり、もっと情報を精査しないとダメだと言いたくなるほどレベルの低い記事です
日本の種子島から韓国衛星「アリラン3号」発射 -日本の技術力を羨み、ロシアの不十分な協力を非難
「(韓国は)衛星を作る技術はあるが、それを打ち上げる技術がないからだ」と書いていますがこれは大きな間違いであり、韓国の人工衛星は一部の試験衛星を除いてすべて外国企業に設計・製造を丸投げしたものです
自慢の高解像度カメラもドイツのメーカーが作ったものであり、韓国の技術など欠片もありません
そして韓国のロケット打ち上げ基地について、「韓国にも宇宙センターはある。全羅南道の羅老(ナロ)宇宙センターである。ナロ宇宙センターは2002年に着工し、2009年6月に竣工した。2020年には月探査衛星打ち上げ、2025年には月着陸探査衛星打ち上げを目標としている」と紹介していますが、これも韓国メディアの報道内容の単なる受け売りでしょう
ナロ宇宙センターは狭くて、現在韓国がロシアと手を組んで進めているナロ号のような小型ロケット発射は可能ですが、月探査衛星を打ち上げるような大型ロケットでは使えません
より広大な敷地、もしくは安全のため船舶の立ち入りを制限できる広い海域をもった発射基地を作らないと、大型ロケットの打ち上げはできないのです
さらに、「2006年の段階でロシアと手を切り、韓国が衛星打ち上げ技術を独自に研究していれば、今頃は1段目ロケットを作れたはず」との主張も、根拠のない希望的観測にすぎません
ロケットエンジンを作る技術がなかった韓国が独自に研究を進めたとしても、果たしてどこまで進められたのか疑問です
現在でも韓国には大型ロケットエンジンの噴射試験をする設備はありません(日本にはもちろんあります)
いかに基本を疎かにしているかが分かります
韓国では推力30トンクラスのロケットエンジンの開発を目指していると、別の報道では伝えられましたが、噴射試験施設がなければどこか外国の施設を借りて試験をするしかないでしょう
この推力30トンクラスのロケットエンジンも韓国独自開発ではなく、ウクライナから導入したものです。実用化までに何度も噴射試験を繰り返す必要があるのですが、その都度外国までわざわざロケットエンジンの試作品を持ち出すつもりなのか、と言いたくなります
日経ビジネスは韓国が半導体製造ラインや液晶パネルの製造ラインを設備一式外国から購入し、大量生産を成功させたという結果だけをとらえて「韓国の技術の成果」だと言いたいのでしょうが、大間違いです。そこに技術などありません。経営判断が優れていたと言うべきでしょう
外国メーカーに設計・製造してもらった人工衛星を日本のロケットで打ち上げておきながら、「アリラン3号の打ち上げ成功は、(韓国の)科学技術分野の凱歌である」と韓国政府の高官は高らかに宣言しています
そんな国に科学技術を語る見識があるとは思えません
結果として日経ビジネスの記事は韓国メディアや韓国政府の考えを受け売りしたものであり、彼らの妄想(こうだったらいいな)が色濃く反映された内容です。まあ、それはそれで面白い読み物ではありますが
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