イギリスのわびしい学校給食が話題に

「イギリスの食事はまずい」という定説が流布されています。反対論もあるようですが、イギリスの学校給食の実態を見れば、食に対する熱意や創意、愛情が欠落しているように思えてなりません
インターネットでは「イギリスの9歳の少女が学校給食のわびしさを告発した」と話題になっています
わびしい給食を英少女が嘆く、ブログ掲載の写真に驚きの声が続々。


記事に添付された写真を見れば、日本のお母さんたちは絶句するでしょう
こどもたちが学校でこんな給食を与えられていると知ったなら、学校へ怒鳴りこむか、給食を拒否して弁当を持参させると思われます
さて、イギリスの学校給食がひどい状態にあるのは今に始まった話ではなく、昔からこんなものだったと説明している人もいます
給食から話はずれてしまいますが、グレゴリー・クラーク「10万年の世界経済史」(日経BP刊)によると産業革命当時のイギリスの平均的な労働者の生活は、「年に300日は働き、休めるのは日曜とたまの休日だけ。食事はパンにちいさなチーズ、ベーコンの脂、薄い紅茶くらいで、たまにビールが飲めたくらい。暖かい食事はめったに食べられず、ろうそくは高かったので、日が落ちればベッドにもぐりこむ。家族5、6人が2部屋だけの小さな家に住み、薪や石炭を燃やして暖をとる。年1回、服を新調するのが楽しみだった」と書かれています
イギリスの学校給食の水準は産業革命当時の労働者の食事と大差ないように思えます
イギリスでは労働党のトニー・ブレアが首相に就任した際、「私に最優先事項は何かと聞いてくれ。答えよう。教育、教育、そして教育である」と叫び、教育改革の重要性を訴えました
裕福な家庭ではこどもを私立の学校へ通わせるのが当たり前であり、公立学校は教育環境も教育水準も低いまま放置されている状況を改善しようと試みたわけです
が、その改革の対象に学校給食は含まれなかったようです
トニー・ブレアが、「私に最優先事項は何かと聞いてくれ。答えよう。給食、給食、そして給食である」と叫んだなら、話は違ったのかもしれませんが
察するにイギリスの公立学校は校長の権限が強く、独立性が高いため、日本の公立学校のように地域ごとに給食センターを設けて、質の高い給食を低コストで提供する仕組みが存在しないのでしょう
日本の学校給食の様子がYouTubeにアップされ、海外からさまざまな反応が書き込まれています
「翻訳したらこうなった」さんのページを紹介します

「日本はアメリカの遥か先を行く」日本の学校給食の海外反応

国民の4割が肥満というアメリカでは食習慣の改善が緊急の課題ですが、それでも日本のような給食システムを導入して、こどものうちから良好な食習慣を確立するのは至難の技でしょう

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