亀岡暴走事故 小学校教頭が電話番号を漏らす
4月23日朝、京都府亀岡市で無免許運転の自動車が児童の列に突っ込み、多くの死傷者を出した事件の続きです
登校するこどもたちに付き添っていて死亡した松村幸姫さん(26)の通夜が行われている際、松村さんの遺品となった携帯電話に無免許運転で逮捕された少年の父親が電話をかけてきたため、誰が電話番号を漏らしたのか騒動になりました
亀岡警察署の交通係の警察官が被害者のリストを犯人である少年の父親に手渡していたと発覚し、署長が謝罪をしています
しかし、この時点では松村さんの携帯電話の番号は警察の作成した被害者リストには記載されておらず、別のルートから個人情報が漏れた可能性が考えられました
毎日新聞は、犯人である少年の父親に松村さんの携帯電話の番号を教えたのが松村さんの長女が通っていた亀岡市立安詳小学校の教頭だったと記事にしています
亀岡暴走:松村さんの携帯番号 小学校教頭が漏らす
東教頭によると、携帯電話番号は、学校に保管されている松村さんの長女の「児童調査票」に記載されていたもの。東教頭の教え子の保護者で、父親の親戚に当たる人物から「父親が、誠意を示すため松村さんの葬儀への参列を希望し、日程や場所を知りたがっている」と聞き、日程と携帯電話番号を伝えた。番号は松村さんの夫の名前の横に書かれていたため、夫の番号と思っていたという。
遺族の意向も確認せず、こうもやすやすと個人情報を漏らす教頭の行為は批判されて当然でしょう。亀岡警察署の情報漏洩で署長が謝罪してからようやく自分のミスの重大さに気がついたわけで、それまで教頭は自分が良いことをしたと思い込んでいたのかもしれません
個人情報の保護について教師を指導する立場にある教頭がこの感覚なのですから、日頃からどれだけ杜撰な対応をしているかうかがい知れます
交通事故で互いに連絡先の電話番号を交換するケースはありますが、今回は人命に関わる重大な事故です。犯人である父親はあの手、この手で被害者の住所や電話番号を知ろうとしており、それは謝罪のためだと説明されているわけですが、どうなのでしょうか?
たとえ謝罪のためだとしても、被害者の住所や電話番号を一方的に収集し、犯人の父親が自らの氏名、住所や電話番号を明かさないのであれば随分と勝手な振る舞いだと言わざるを得ません
いずれにせよ被害者家族の心情を重んじるべきであり、それを考えもせず通夜の最中に電話をかけるのは無神経すぎます
この父親の周りにいる親戚の人たちも、被害者家族の心情に配慮できない無神経な者たちばかりなのでしょう
「誠意を示すため葬儀に参列したい」と思いつき、それが正しい行いであると信じて疑わない感覚に首をひねるばかりです
そんな無駄な配慮に走るくらいなら、無免許運転を繰り返す自分の息子を放任せず、きちんと監督・指導すべきでしょう
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